膝下の丈を膝上替えました冬の名残りが全て無くなる
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朝食のホットミルクの湯気ゆらめき お出かけできるか?こころも揺れる
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チビ猫は お日様の匂い ちま猫は ポップコーンの匂いかしらね
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夫との会話は今朝はうわの空 心は旅する息子にありて
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剥がれない クスむベタつく 新品の 計量カップの 説明シール
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我のこし妻子でかける前泊の嗚呼五月晴れディズニーランド
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勤勉な あの子の挨拶 一番乗り 眠い目擦って 苦手な早起き
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どうしてもドッジボールがしたいらしい 21時のソファの上で
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爪のあと残る手の放し方知ったとき別の幸福スルッと手にする
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日陰には 日陰の草が 日なたには 日なたの花が 息をしている
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別れの理由わけは 百まであるの たった一つの 縋る思い出も
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君だけには弱いところをさらけ出している という顔をしている
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入母屋いりもやに被さるほどの大もみじ 谷風に揺れ屋根を掃きおり
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皐月なの?窓辺のあやめ怪訝顔 ストーブ点けた部屋を覗いて
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まがひつる花散り果てし夏山の緑に染まぬ峰の白雲
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終わりは唐突 予告ないから覚悟できずにまだ漂っている
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あさぼらけ太陽登り小鳥鳴き まだ早すぎると二度寝決め込む
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泣き笑ひ花も嵐も踏み越えてお前と共に五十一年
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忘れたの あなたがといて撫でるから 前の五月を思い出せない
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夜歩く 幸せものね カップルは 脇役のこと知らないままで
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ボロ布の大切なものに「がんばれ」と、言うしか出来ない 抱えられない
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悲しさや寂しさなどを期待して掛けてる声は希薄な気体
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鳴くことと鳴かないこととそのすべて放ってほしいかなホトトギス
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1という数字や言葉飛び越えて誰もが1を無視して話す
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投げ捨てた溺れて沈むあぶく声 冷たく深く眩む壊れる
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高架下ささやかな夜吹き抜けて 茶化して跳ねる君の笑い声
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会いに行く 君に逢いに行く 愛してる?えっ? わからない…でも 君に逢いに行く
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今日もまた 疲れているのに 眠れない 酒と眠剤で 強制終了
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君が不意に 思い出し笑いを した時の 察した理由は 正解なのか?
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憂鬱は僕のいつもをご馳走に。朝に寝るため雨にも負けず。
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