好きな色をつけたいから私はフルカラーベース春夏秋冬
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アウシュビッツ とめられなかった じんるいは にどくりかえすと 後世につたえ /目の前の大量殺人
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ねむれない花がどこかで咲いていて夜の風が波のようにさらう
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いつも聞く 芝居がかった 口癖に 飽きがきたので 夏はおしまい
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おろしたて ひらひらフリル 身に纏い 私の心に おめかしをする
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軒端のきばにて一本ひともとへる芒穂すすきほの綿毛眩しき霜月の空
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文末をすぐ過去形にしてしまうこんなところもネガティブなんて
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隙間から 冷たい光 さす朝に あと五分だけ 温いまどろみ
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この世には神も仏も居ないけど拾う神ってどこに居ますか?
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人生に後悔ばかりしています。誰か記憶を消して下さい。
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百均のラブラブハートに茎が出た。そんなあなたは運の持ち主
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分蘖を示すウスネオイデスはお湯のシャワーで出逢えた初見
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一段と老いを進めて講習なるを受く自動車学校
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攻め団扇「あんなのどう?」と聞く貴方 今日も踊るよ手ノヒラの上
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またねって また会えるかな 嬉しいね さようならより また会えるよね
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大好きだと言ってくれるの なんでもする、嫌わないで、と泣くのやめたい
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この映画ポップコーンは似合わない 食べるタイミングが分からずに
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神様へ・乗り越えられる試練しか 与えないでねどうぞヨロシク
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にんじんを短冊切りにしてく指 わたしのなかを暴くしゅくめい
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ぜったいにまもれない約束はしない ききたいことは噛んで飲み込む
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不足して友への手紙舞い戻る 10円分の多すぎた文字
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意外にも イスラエルって 中国と おんなじような 監視社会 /Pegasusとゆースパイウェア
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頭に血 座る老人囲む人優しき人の声かけ響く
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今日もまた錦秋にして夏日なり 百年前と似た気象とか
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階段を降りればそこに月がいてやさしくほわり出迎えられる
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想い出の携帯電話ケータイ ずっと残してる 長女猫あのこの写真をいっぱい撮った
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動員の どうぐだった あらひとがみ アラーの神も エホバの神も /本質は国家主義
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こっちを見ないあなたが好きなのだ
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狐憑き きね調筒音つつね 聞き寝つき 啄木きつつき来つつ 狐つつきつ (巫女の奏でる心地よい笛の音に狐憑きも眠ってしまい、飛んできたキツツキに突かれても起きない)
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色付いた時だけ思い出したように名を呼ぶ紅葉もみじ もう散ってしまう
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