境目に立つ者たちの半分は向こうへ落ちてかえってこない
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変わりゆく心は誰にも責められぬ私が私を責めることも
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まっすぐに 空を見上げる ツユアオイ 天届く頃 夏来にけらし
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母サイズに水無月切って持ってった パントリーさん なかなかやるな
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一仕事終えて一服 麦のジュース(笑)うどーなつカレー スパイシー美味しい
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雨音のひとつを拾うやわらかな母の耳朶やわらかな嘘
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次に会う義務も保証もないけれど 最後の「またね」を信じてもいい?
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人間を馬鹿にしないということが民主主義だと思うのだがな
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僕の耳に届く君の周波数 録音ボタンをそっと押します
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朝焼けに滴る涙を言葉風情が語れるものか
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桜食み生々流転の木漏れ日に遊び心も息を呑む
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美味しくてやたらと硬いあずきバー噛み締めるほど甘味を増して
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英語の塾なんか辞めて ぼくとリズム&ブルースを
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待ち焦がれ生き急いだと行方消えあんな人はね何も知らない
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女子陸上ゴールリプレイ見返せば同じ身体は無い事を知る
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人生が映画化されたらキスぐらいしてたことにされそうなあの夜
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午後が来るなるべく多く捕まえて私の元へ送り返して
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父の日に贈りし鞄とある日に形見分けとて我に戻りぬ
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メラミンのカップの底に茶がらあり負けじと洗う私も頑固
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あの人が殺して欲しいと言ったから 何でも殺した神様でさえも
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ヒーローへ出来ればだけど なる早で 助けて欲しい いろんな事から
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「君のせいじゃない」からなんだ?ただそこに過ちがあるだけだというのに
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体調も気候も悪くてしたいことしかできなくて全部おしまい
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加工後もそりゃかわいいけど無加工は僕しか見れない特別な君
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分かち書きせぬのがいいとアドバイス活かし早速一首詠むなり
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「あうだぁ」に「パパって言った!」返す声 ストーリーズも ほほえんでいる
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「気を付けて」 大人の僕にかけられる いつか写りたい、あなたのフレーム
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富士講を 横目眺めて 電車待ち 浴衣姿は 初夏の訪れか
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たれかれの灯芯に夜祈ること束ねた花を逆さ吊りつつ
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店先に並ぶパプリカ鮮やかに モノクロの空に飽く目を射抜く
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