ドーナツの 内を通りし 空間は 誰が思えぞ 無の価値観
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樹の下にオレンジ色の花絨毯じゅうたん 体育会も終わりし頃哉
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かけ流すラジオと選挙と強盗と野球を聞いて今日も一日
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頼むから合格するまで導いて! アダム・スミスの神の見えざる手よ
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君が言うたった一言それだけで You makes me upset
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港から港へ旅をしていった恋する人もいづれかは母
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メール便 クロスネックレス届いてた 予備の十字架クロスよ ゴツめだが綺麗
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にぎやかに あさから ねこたち どつきあう なかよくぱんち・きっくで ぷろれす
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薄墨の三日月けむる秋の宵妖しいの香に幽体離脱す
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雨のごと季節変わりし匂いして寒さ始まる立冬近く
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恥ずかしい穴があったら入りたくなって入れば先客だらけ/穴
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あぶらげをあぶってしおかけとんがらし わがやのジビエはフォックスステーキ
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僕だけを必要とする人がいて僕もその人を必要としたい
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天照世界を照らす朝来たるお天道様見守っててね
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中学の合唱曲の歌詞どおり知らない街で想ってしまう
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深さ30センチくらいの木の箱の取り出しやすい場所にある「自殺」
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悲しみが染みる港町に行った人を思って背筋が伸びる
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完壁で なくとも良いと 足るを知り 感謝する人 頭が下がる
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同じ身の宵待草と語らひて待てば海路に月のあらはる
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丁寧に、悩みの種は、すくすくと。 水をやれるのに薔薇は枯れてる
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色を待つメタセコイヤの並木道 二十年経ちし冬ソナの道標
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「死にたいな」 一年前にも言ってたな。 なんであのころ死にたかった?
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AIに作風まねよと指示すれば漱石にもなる吾が駄文さへ
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考えることはもうやめた疲れるし未来に希望もっていたいし
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ぶっ壊れてるのはおたくのほうだよ いっぺん死んでみたらいいのに
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腕時計 バンドの穴を 入れ替える 手首が細る 老いを知る吾
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霧雨に傘持ち歩く二人づれ繋いだ手と手離し難くて
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一列で順番待ちの二人づれ肩の糸くずそっと取りたる
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あから曳く朝日ふふめてれるあけびにそを手にとりて笑まむ貴方を見ぬ
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ちいさな家のちいさな庭であなたと植ゑた木通あけび、陽をあつめてつた
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