雪深し姉の身案ず受話器より 娘とバトルの元気な声が😆
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やっと来た返礼品のタラバガニ 年末一度の蟹祭り為る
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ふるえる手伸ばしつかむは雪の華となりに歩む君の微笑み
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いつしらに施設の暮らし一年に義姉あねの肌着の名前薄らぐ
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もう一度春琴抄を読み返す眼科手術の十日目の夜
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あたしってなんてつまらぬ人間か そういう思考浮かんで消えて
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頭の中の心の奥の奥、そこに居る答えを探している
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粉々のポテトチップは捨てられて講義終わりの教室静か
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レポートを二本提出 改めて課題三本 明日はプラゴミ
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老人の転倒予防に見直さむ。お薬手帳でポリファーマシー
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木の間より差し来る朝日サンゴジュの僅かに残る熟れし実照らす
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気になるなあ。その症状はもしかして薬剤起因性老年症候群?
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寒き夜に マスクが似合う あの娘かな 君は鴛鴦おしどり 私は独り
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モミノキの 仰々しさは やさぐれた心残りへの 最後の希望
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取り上げから看取りまでせし医者人生。緩和医療で掉尾を飾らむ
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夕立に バッタバッタと 子供たち 縁側囲む バラバラの靴
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薔薇色と すみれ混ぜたる 揚羽蝶あげはちょうの 形崩して 逝く夕雲よ
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鞄から くしゃくしゃ原稿取り出して 夢追い人が また旅に出る
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小学生 遊んで帰って 宿題を する姿まさに 平安貴族
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夫にもQRコードつけたもれ トリセツ不明で五十年過ぎ
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横文字の洒落た料理は苦手らし冒険いらんと夫は言ふなり
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「痛すぎる」 魔王気取りの 中二病 僕が見たのは 傷だらけの君
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歩いてく 夜中の帰路を 隣り合い 父と話せば アイスが溶ける
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動かざる思ひ知りたる雨の歌ひとり受けたしあゆみ静かに
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冬至まへの夜の明けきらぬ厨から汁のかをりと菜をきざむ音
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来年の自分に対し展望す出来ないことはやらないことと
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風邪の芽を摘んと飲みし葛根湯 両の手のひら仄かにうるむ
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鳥かごに冬の日差しを閉じ込めて蜜柑の皮を剥けば香し
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人波にマスク重なる交差点行き交う日々に祈る幸あれ
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紅々と色づく部屋のポインセチア猫のあくびも冬を運びぬ
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