世のなべてうつろふものはかりそめの比喩にすぎぬとゲーテはいへり
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こんなにも君が素敵でばかなのをいつか忘れてしまう風の日
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豊頰をほのかにそめてをとめらのいでたつ野辺にみどりもえいづ
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人生はソシャゲだと知り目を閉じてリセマラなしの恋人ガチャを
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きみをみるのがすきでした夕色の来るはずだった明日がほしい
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天邪鬼として生まれたからには運命にさえ逆らってやるよ
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時じくの雪ぞふりけるこまとめて袖うちはらふはるのゆふぐれ
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この時期は意外と薄手のダウンがグー暖かかった日帰り旅行
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重力にさからつて跳ぶ日々あつく陸上男子の夏のたけなは
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老犬は襁褓むつきをはいて仔にかえる 私もやがて子どもにかえる
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あまりにも早すぎた別れだと思ったよどうしてあった隠し事
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笑うときこぼれた息の音などを春の空気としておぼえてる
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あの黒い宇宙の最果てまで泳ごう終わりの始まり一緒に帰ろう
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その麻酔を吸ってしまえば最後だよ、明日から君は君じゃない君
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日に一度ひづめもかるくかけりくる郵便馬車を待ちがてにして
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緞帳で仕切られたよう手術室前の祈りは祈りで終わる
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「恋情とは何なのですか?」端正な令和生まれのくちびるうごく
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二の腕に落ちたやもりと目が合って蚊の多いとこ散歩しにゆく
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湯あがりを寝入りしひとのぬばたまの髪かきやればかはききらずも
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ささらない目薬濡らす前髪がぱっくり割れて生まれるわたし
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ひびわれた油絵の中幾何学の模様に少し自由をあげる
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ガーベラの歌にハモリを入れながらソロの花瓶を買いに出かける
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わたくしが買ったパンです袋には指紋認証ついております
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眠くなる音楽のあとテーブルのカーネーションがピンクに変わる
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みずうみを全部飲んだらわたしからいのちのシャワー光るプリズム
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緑色した青虫は白くなるブルーなら何色をした羽根に生まれる
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靴下を編む指先に一輪のしじみがすこし休もうという
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傘ひとつ買って野原の真ん中で逆さにすると西陽が採れる
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ごめんなさい 天使のひらひらカーテンを踏んで裸足で砂浜へゆく
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胡蝶蘭ひと枝手折り今日ひと日朝日昇らぬことへの供養
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