ただ一つ 秀でるもの程 強き者無し(一行詩)
3
「車菊」初冬にかけて駐車場に隅に咲いたの叔父が教えぬ
3
別れ際最後までずっと言えなくて今ならいえるはず「ありがとう」
3
慕情かな枯葉集めて手に取れば重ねる波に砂の足跡
6
貴方はさ 僕が例え 死んだって 進んでいくだろ 蹲らずに
1
〝かなしみに 墓をつくってやったのが この海なのさ〞 くらげは言った
3
胸の奥 しがみついてるかさぶたを いともたやすく 剥いでゆく 君
2
平積みの新書 知性を食い止める
2
母の文字通りの猫なで声 かつての私にも向けられた声
1
あたたかい繭の中なら眠れるか 花の咲く頃逢えるか友よ
9
人生のはじまりにあるカフェーではコーヒーはただしろくてあまい
6
「オワコンだ」知るかうるせぇ黙っとけ ところでそれは、なんて意味だい?
5
「お二人で仲良くしなよ」と言ってから パピコを買って一人で食べる
10
「今晩は 一ついかが?」とイタズラで 言われる夢を見るハロウィーン
6
ぼくたちは夜をさまよう深海魚 出会ったそばから丸呑みし合う
6
この次のバザールへ行く機会にはマンゴーを買って臆病を売る
7
秋の道 落ち葉が歌う 風のうた 月夜の舞台 ヒールでリズム
2
この文字は やがて四次元に進化し 見てな 新たな宇宙を造る
3
永遠の 傷をつくって 去ってった 世界を寿ことほぐための祝詞
2
「あの頃は大変だったね」 いつの日か笑って言えるときがくるかな
1
あなた居ぬ部屋に漂う残り香に 小さき頃の思い出重ねる
1
悪報を吉報よりも易々と受け入れてしまう我の習性
7
幼児期に寄り添った友引き籠り 今もパズルを解いてるだろうか
6
忘れかたを 教えほしい 苦しいから 君を好きになる前の 僕に戻りたい
2
君のことを そう簡単に 諦められないのは 君は僕を かえた人だから
2
(空白は 君が手ずから埋めてくれ) 生きてくうちに 朽ちて崩れた
3
今日という日は遠い未来、振り返り 懐かしむために あるんじゃないのに
1
僕はもう おおよそ病人の気持ちで 布団、あるいは 夢から出れない
3
石橋を他人に叩かせ渡るひとの背中を押して落とす妄想
2
カーテンの裂け目から漏る初冬の陽 白い光に刺されて溶ける
5