憂鬱がぎゅうぎゅう詰めの月曜日 まだ聞こえない天使の喇叭
7
手にはなほぬくもりのこる別れぎは袖をふりつつとほざかりゆく
0
とらえたと思う我が手をすり抜けてなおきらきらと君は輝く
2
指先でシーツのしわをもてあそびふるさとの形つくりては消す
6
酒だから飲んだらなくなっちゃうのかな 酒じゃなくてもなくなっちゃうかな
2
ソロモンの栄華にまさる野のゆりのよそほひをせよ我がたましひよ
0
新緑のシャワーを浴びて東福寺 木々のかおりに翡翠かわせみの声
3
カーテンをしめてだきあふまひるまのあやめもわかぬわたつみの底
0
北溟の鯤てふ大魚わが家に飼はんとしたるゆめみてめざむ
0
ひもじさに死せる獣の腹中に生ける那由多なゆたの蟲の不可思議ふかしぎ
3
全身にスパンコールをつけたまま燃えるミス・リカ・ドールのえくぼ
2
君は無事か まだ生きてるか 横たわる片方だけの靴に問いかける
0
こんなにもみどりまぶしい五月の日ネクタイえらぶ弔問のため
2
前歩く見知らぬ老婆のスピードで流れる歩道に夏きたるを知る
2
シトラスをまとううなじは厳かにSEA BREEZEの加護受けし娘よ
7
アラームが鳴り始めてから十分二十分三十分 まだ起きてこない いってきます
0
心が風邪をひいた モヤモヤを伝えた今日は ココロの休養日
0
ほほのなみだぬぐつてかるくキスをしてしやくりあげる子ねむらせる夜
0
意味もなく 不安になった ここのつの 記憶を今でも ひきずっている
0
今日グミを買い忘れてたションボリも明日には腹の中だね ムシャムシャ
0
可愛いは作れるんだしどうせなら可愛い悪魔になりて微笑む
0
駅前で侍シャツ着た丸刈りボウズ数人がかりで自転車チャリを修理か
0
死語である「ぶりっ子」してるあの人の所作の音は、もう、正に、ぶりぶり
1
始まりの挨拶からねお別れの言葉まで我が目を見て放て
0
「トンネルを抜けて電波を手に入れた俺は最強だ」割れた智能手机
0
よりたかくよりたかくこぐぶらんこよしきゐをこえてこの世の外へ
4
脳天がとんでいないと耐えられぬ仕事ですかね基本的には
2
午前九時午後二時の喫茶店同じ席で本を読んでるサラリーマン大丈夫?
0
歩道橋の昇りスロープで電動機付きを追い抜く自転車・・・ニヤリ
0
いのる手の花をひらいてときはなつ蝶のゆくへを知るよしもがな
2