指の皮何度むけても同じ紋少しまともになれやしないか
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君のため巡り巡って僕のため優しさという殻を売っては
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てっぺんの赤にフォークを突き刺して揺れるあなたを崩して舐める
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鏡中を覗くたび吐くため息で、曇らせはせど白い歯は無く
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こんなにちいさなドレスを縫ってもいったいどなたが着てくれますか
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おのおのがしろく小さき十字架を負ひつつ咲けりどくだみの花
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ていねいに伸ばした爪に色をぬる夏の準備に早起きをする
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長いね〜カッコいいね〜 でも邪魔じゃ! 真ん中まで飛び出たその足!
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どこででも焚き火の匂い嗅ぎ分ける我の鼻の中時空遡る
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その指が 私の喉をさする時 天使を見たと 感じる瞼
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*老いてなを 白髪頭に 赤シャツを 気取りて着るは 吾一人のみ *本当に効いているのかいないのか七種の薬日々飲んでいる
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野良猫とカラスカケスがにらみ合いらんらん猫の眼に空からの哄笑
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安心すみんな元気とそれだけでよかったよかった寝るとしよう
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それでもだ〜れも考えないのさ 「お〜たまじゃくしはカエルの子♪」
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「お〜たまじゃくしはカエルの子♪」などと いったいだ〜れが決めたのか
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シーグラス小さな両手に握りしめ不思議な輝き確かな宝石
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田植え後の田んぼに映る夕暮れが教えてくれる 明日も晴れだ
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夢を見た 僕が落とした消しゴムを 拾った君の靴を脱がした
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この視線が 貴方の肌を焼いてるの 気づかれちゃったら 気づいてくれたら
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91ほとんどミルクのカフェ・オ・レを子供の顔して飲み干すまじな
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一掬のなみだと嘘を積み果ててあしたには来るほんとうの鬼
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ここではないどこかへとんでゆくためのしろいつばさがあればいいのに
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もしも今日 海に行こうと誘ったら 驚く顔を見れるのだろうか
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マイノリティばかりが説明させられる 君はどうして説明しないの
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政治家は気楽なもんさ 問題を女に押し付ければ解決さ
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政策も何もないよな政治家が三人産めとか言いやがるので 私は人形ドールを三体買った
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逆光と熱風まとって立つ彼女 眩しく思った 好きだと感じた
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ひたすらに花におぼれてみつを吸ふ蝶となりゐし思ひ寝のゆめ
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冷蔵庫 要らない時期は過ぎ去った ネギも心も腐らぬように
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親友に、起きて、と声をかけられて皮をむかれる桃になる朝
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