風薫る 早苗の水面揺らめいて 黄金こがねに染まる夢膨らみて 
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協調は「束の間」だった  諍いを 避けて未来を 築けぬものか
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AIの福祉を受ける情けない大の大人として生きている
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泣いたりはしないはずだったあなたの鼻炎に交じりかなしみが落つ
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AIに自分の作った詩を読ませ ユーモアを分析される時間
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続編が楽しみだった日のふたり しのびひとりレイトショーの
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くるぶしの火傷の痛みを告げぬまま走るよ君も夏も駆け足
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今日もまた彼らは私の脳内で勝手に生きたり死んだりしている
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幼子を おさげに結うや 春昼の 抱かるる人形 君とおそろい
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先を行く人の歩幅にならう朝 推進力も人任せにし
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泣き止まず 泣き止まずいる 少年の 震える指が 俺には眩しい
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飄々ひょうひょうと 街を温める 深緑しんりょくよ ただにわか雨の 色にも染まらず
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ないことはあることだって言うきみの硝子管からあふれるひかり
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夜に目覚め ふと窓開ければ 手遅れの 優しいあの子を 抱いた気分だ
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梅雨つゆ来たる 前に家から 飛び出して 朝一番の 教室を嗅ぐ
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今日一番ツイていたこと布団から無くしたリップが見つかった事
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熱血な教官というトラウマも怖い物見たさかPjが憑く
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屋根を打つ雨垂れの音ききながらボーっと夢を考えてみる
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アパートの屋根打ちつける雨音が誰かのノックであればよいのに
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今夜から明日の朝は冷えるようしまった毛布を引っ張り出そうか
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寒いから 暖かいので あり、ずっと 暖かいのは 暑いってこと
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占いを 見て感ずる 我が未来 闇夜の中で 綱渡るごとし
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玉葱の収穫ついでにじゃがいもを一株掘った上々の出来
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本棚で静かに眠る桃太郎 むかしむかしと語り始める
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見てられぬ大人同士の口喧嘩 オブラートだけは忘れるなかれ
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ちま猫の シッポぴーんの 背中なで ますますシッポは ゴキゲンぴーん😸
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断末魔 或いは私のしぼかす ネットに埋もれていつか化石に
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湯を誘う 言葉の継ぎ目 さがしてる ふたりの宿に 月が寄り添う
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回る口、必要以上の自己開示 顔だけが熱い今日もしんどい
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遥かへと伸びゆく木々の遊歩道死を思い居て申し分なし
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