だらだらと サンマのトーク 続くけど 関西人の 私は寝るわ
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日が長く お天道様は もうすでに 高く昇りて それでも寝るか
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起こされる腹が減ったと訴える白い猫のこ春はあけぼの
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湿原の木道歩けばハルリンドウ画像撮る背に春風そよ吹く
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山肌を 春色染めし花見山 黄色の菜花彩り添へる 
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大げんかした日のことを語り合ふ夜の静寂しじまに友てふえにし
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赤ちゃん、泣いていいから赤ちゃん、ちゃんと生まれていいよ赤ちゃん
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門番がつぶやいていた「そういえば誰も帰って来ないんだよな」
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観覧車から降り父は万引きをした学生のもとへ向かった
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学校の帰りに蹴った石ころは今ごろきっとブラジルにある
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清らかなあの子を抱きしめた腕をきれいに保っていたいと思う
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大根を抱くほんとうは大根じゃないと知りつつ大根を抱く
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誰のものでもない私 きっとそうだなそれがいい
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公を 離して流す 夜の車窓 アタシほんとは天使になりたかった
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子を憂う春も希望にる春も 胸にしまって 米を研ぐ夜
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古い写真は棺で 美しさを閉じ込めていた 今の私は醜いゴム人形のようで 反吐が出そうだ
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ああ 消せない痛みの火傷が滲み 声は爛れ 雨降らし、傘も無い私
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「これからはラインしません。」なんてこと!ほんとは、だけど、消えるべく私
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迷わずに娘のアパート着いたことドアの袋に潜む焼きチュロス
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歯磨き爪切りエンジン点火 拗ね拗ね猫ロケット 太陽系の果てまで行くか
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待ちわびる 種を蒔いたら 楽しみで 毎日発芽 チェックが日課
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正午ひるの陽が 教室へやに注がれ 春一番 散る桜の雨 窓をうつ
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母すらも知らない母に老いてゆくナンバー明かせぬ家に電話す
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オタマボヤも我らエルフと同様に背側神経管を有する
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食べてくれればよろこんでやせてしまえばふさぎこむ気に病む人を猫はただ見る
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誓いなどなんにもなんないわ でも繋いでいたいこの手をずっと
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スンとする塩素の匂い吸い込んで舟が進むよ小さな世界
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名前とはあなたがあなたであるための祈り、もしくは魂の型
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「古民家の蔵の中から出たものです。」 骨董売りは時をならべる
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はねのけた毛布に足を入れなおし眠れ眠れよ母も寝るから
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