連日のカマキリ出現なにか断つ 不幸切り取り秋の陽の昼
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うたかたと知ってはいてもなお紡ぐ ここに誰かが生きた証を
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悲しみも別れもいまだ 知らぬ間に いっそ露と消えてしまいたい
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唐揚げの皮に ぱりっと噛みつけば 弾けて じゅわん みわたる 夜
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キンギョソウなぞに ゆめゆめ惑ふな アサリナは此処に咲き渡りける
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何方いづちにも くかたありて はばかりて なみだに沈む 夜の冷たさ
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‪御神籤に書いていたけどわからない足りてないから足るを知れない‬
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霜さゆるあしたの空の結ぼれを解きつつなくや朝鳥の声
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天高く私ばかりが肥える冬 鍋もうまいし湯豆腐もオツ
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会わずともなんとはなしに顔浮かぶ 「ちょび」と言う名の他人の猫よ
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茄子という文字が読めずに発音するカコ いもうとのまるいほっぺた
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陽だまりにひときわ黒くある影はどれほど高い空から落ちてきた
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「犬の名は」問うた答えに対するは 「だいずとひじき」なぜそうなった
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宛名書き かつての住所を見つけても 帰りはしない帰る気もない
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泣くまいと見上げた夜空星もなく 冬の夜空は寂しさつのる
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ボーダーコーリーわが犬の名のボーダーは有る時は有る無い時は無い
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日記記す今日も一日過ぎ去れし一行の言葉生きたのだろう
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風泣いて起き上がれずに泣き出して 生きてて良かった 一度言いたい
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たをやかに まなざし向ける君の志を 垣間見かいまみすれば風立ち騒ぐ
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ググっても 何か解せない ことがある  答えの出ない 時だってある
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何度でも心の中でシャッターを 残しておきたい 誰にもやらない
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冷え迫り かつての住所思い出す 元気でいるか 近所の猫ら
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君が胸とどろく音のこころよさ 瞼のとばり やや下ろしつつ
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彼にこそ知らめ と艶めかせし爪 思ひ及ぶるとき 待つ乙女
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真夜中に こっそり握って 頬張った 塩おむすびの 味はとくべつ
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あかねさす 眠れる君の 居懸ゐかかるる 外寒かれど 我が肩ぬく
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つづら折り耐えて差し着くいただきの 気のさやけさに 雨もまた良し
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この時間 どうご挨拶 するのやら  あと数分で 明日の風
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明かりなき困難な道切り拓く 靴は丈夫に明かりを持って
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年賀状 宛名のバイト 息をつき ペットの写真にふと癒やされる
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