君が笑うみたいでそうでもないようで雨が降ったり降らなかったり
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エアコンの吹き出す風もぬるくなり いよいよヤバげな気配ヤバババ
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父子は朝ブルーベリーを狩に行き梅雨の晴れ間に母は洗濯
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此処じゃなくたってもいいね やもり逃げゆく日蔭こそ楽園であれ
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カミソリの上で舞ってる多幸感それがすべての始まりである
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「ゴミの山?否、都市鉱山の切羽よ」と、君はたな先ワゴンで笑う
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初夏はつなつの 蒼き朝顔 匂ひぬる この夏深なつふかに なほさかるかも
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正しきを 行いたれば 報いあり 悪しき思いは 滅びを招く
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今日を生き 明日を生きるな 人生は 昨日のことは 夢のまた夢
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綿密に 明日の計画 立てる人 葬式会場 予約する人
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先々の 心配をする 余裕なく その日暮らしで 明日は思わず
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忙しく 働くことも なくなりて ゆっくり生きる ことが楽しく
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髪の毛が 白く変わりて ぼさぼさに くすんで消える 老人の愛
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夏になり 暑いと言いて 呟けば 冬になりても 寒いと言うさ
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信じれば 世界は変わる 人間の 心が変わる 思いが変わる
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新しき 希望を持ちて 挑むとき 多少の犠牲 厭いはしない
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いいことは そんなたくさん ないもんだ 心が塞ぎ そう思う時
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要らないと決めつけた故の苦しみはモヒートにしか融解しない
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甲板にただ黙っては見晴るかすおまへの細い目も蜃気楼
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心臓に何かの花を植えたなら鼓動を撫でてほしい、菊とか
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酸性が彼女を青く染めている自我の主張を雨音に投げ
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一晩中 かけてようやく 吐き出した あの日の音と 過呼吸(不安)
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うたかたに 君戻りし 喜びで 蒼き朝顔 花弁を開く
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パン屑のかわりに記号の断片を撒きつつ歩む ここもまた森
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あいかわらずコーヒーゼリー砕いてもなお持て余すこの伝わらなさ
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「朝のうちは殺しちゃいけないんだよね?」「馬鹿言え、それは蜘蛛だよ」(ばしんっ)
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「助けて」の代わりに「だいじょうぶ」と言った 君には通じる 決めつけていた
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降りやまぬあめの雫でしなる森会いたい人に会えない今日も
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濡れた髪 濡れた指先 濡れた頬 耳にねじこむピアノのしらべ
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雨の中走った靴がじゅめじゅめと玄関タイルを卍に濡らす
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