夕日すら引きこもっていた身体には とても厳しい半目の羽化
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「しあわせは歩いてこない」 かと言って もう立ち上がれもしないわたしは
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夕立に塩素の香りがする君の髪の軋みも愛おしかった
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パイル地は 好きだよ割と やみつくよね そんなお話 またしてくれる?
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小遣いで 買ひし 廉価の鉱石を 矯めすがめつ 眺む日もあり
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君の優しさ 僕を焦がして 発火事故 熱くて痛くて 苦しくて
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桃色の夕焼け空に涙したトンビのように空を翔けたい
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稲妻よ僕の心を打ってくれ記憶砕いて蘇らせて
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私とは、たとえば貝を操って遠くへ運ばせてゆく貝殻
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わんわんと 止むこと知らぬ 室外機に 耳傾けて 小夜更けるかな
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断罪も 祝福もなき この娑婆の 真空地帯に 時雨れつるかな 
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流れて流れて 自由落下 無数の雫 一滴一滴に意味があるのなら
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4度目の緊急事態発令も 緊張感のない人々が
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亡き夫なんで今更夢に見る これから始まる生活の前に
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新機種を買いて後悔タブレット 使えるまでに一昼夜
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懐かしき人に出会ってあの頃の二人に還る蝉時雨かな
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人々のアタマに打たれる夏の雨ミスチルのように叫んでみたい
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カエルかな夏夜に紛れて朗らかだ元気も出たし音頭の始まり
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黄色信号 行くか行かないか迷ってる 迷った挙句に赤信号
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向日葵の笑みも見えない長い雨君の記憶も何処かへ置いて
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紫陽花の色も消えゆく夏盛椿屋四重奏が似合うね
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夏の雨君の涙のようだった現在いまも痛みにまみれてdown.
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二回目を接種した夜ビール飲む大丈夫かなあ牛蛙に聞く
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顔あげて画面じゃなくて僕をみて孤独にさせる君はきらいだ
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落日が山間やまあいをふと飛び出して「眩しいだろ」と怒られている
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疫運ぶ 数多の我ら 駆けて行く 死の舞踏にて 降り積もる雪
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淋しさが 全てのことを 支配する 幼児体験 恐ろしきかな
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目薬を 差せば鼻炎が 酷くなり 医者もお手上げ 手術の予告
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人体が ウイルス如き 伏兵に 屈服するか 宇宙戦争
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面白き ソフトが今や 席巻し 人は巣ごもり 機械任せで
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