「その花は 造花ですよ」 と通行人 それでも僕は 水をやるんだ
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手放しで きれいに立っていられない 影からからみつく希死念慮
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眠ってる 間に殺してくれたらいい ……あぁ残念、また朝が来た
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夢とヤニ 二百平米パチ屋二階大型換気設備の中に
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我が家のまろはプリンを把握されマグ粗茶をおしのけ指さしたまふ
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右斜め45度の上目遣い恋サイン散る残酷関数 (習作)
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(荒本さん)「ア・ラ・モート!」おどけたナースの手本みてゆっくり絞る午後の精神科デイケア
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ぼくのなか あふれるほどの 歌と詩を 流し込んで 去ってゆくひと
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磨り減らない 搾取されない 君ならば プラスチックのりんごでもいい
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甘えない 君が好きだよ だから僕 はちみつ持って 待ってるからね
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可能なら 僕にはボスはいませんが なるべく早く たすけてください
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心臓と 肺がちいさく爆発し 宇宙ができた、きみのせいです
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今日夢をみるときだけは見逃して まだ君は誰のものでもないと
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美しい世界で生きる 君を背に 僕はすすにまみれた虫をねじる
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研ぎ上がり刃物会館より鋏着く切れ味清か桃紅思う
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今日もまた誰かが人を産み、そして迷路は狭く広くなるのだ
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「落ち着いて 素数を数えろ? 了解だ …………ごめん、素数って何?」
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コロナ渦も令和も知らないガラケーに今朝も明日も起こしてもらう
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早春は思い出さずにいたことを思い出させる だから嫌いよ
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泡沫うたかたの日々の過呼吸 酸素満ち千年前の種芽吹く肺
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叶うなら 虎になりたい 荒野にて 君を想って この詩を叫ぶ
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姿勢よくかたく変わらずそこにいる家族とは鉄だ柱だ
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名も無きものなどになりたき日 私は何ひとつ失きものに出来ず
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ホットケーキの層まるで君と僕だ 中身など無いただただ甘い
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泡沫や、ゆめまぼろしと罵って 僕を岸まで還しておくれ
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ふきとう、浅利、筍、菠薐草 きみの好きな鰆もいいね
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「アフガン」「ラグビー抱き」「ミルクの適温」妻が宇宙人になった
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好きだ好きだよ好きなんだ、「あと何回でイエスと言うの」
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きみがわたしを「嫌い」と言った いつもの檸檬サワーがこんなに苦い
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菜の花と土筆の草むら尻尾上げ犬嬉しげに四足ステップ
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