むらさき
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雅俗・調べ・時間

うつむきて六花に背くクリスマスローズの白は誰の化身や
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地を見つめ待ちてゐるその香りより花ことばたつ追憶といふ
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待つといふ冬のすがたを具現するうつむく花の凛とある白
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塞げども紅白菊図の絵柄選り季の筆おこす冬至を前に
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みづからを見つむる時としての文ことのはに季を拾ひて綴る
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雨空にうつすら紅のいろおほふ蕾ふゆ薔薇なにを語らむ
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飴いろの明かりをひとつふくらませ思ひをうつす川辺逍遥
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こゑふたつ宵のしじまにわたりゆき途切れつながり川風のなか
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心地よき歩調を越して吹く風のゆくへは誰も求めぬ今宵
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花は白き 芽のつぶやきを風にのせ何も知らなき心をうつす
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身を削がれ悶え苦しむ薄紅の悲しみを喰む魚の弔ひ
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夢ののち藍いろの闇に吹かれ舞ふ夢屑つなぎあはせ夢見ゆ
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またの日も居どころ探し草枕あるかなきかの安宿あすかを求め
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果つる葉の夢をおきつつ濃く薄く霜枯れのいろうつす朝焼け
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鴇色の羽はばたかせ夕風をおくる西空すすきほむらへ
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輪郭のかすみて揺るる満月のかかやきのふと白薔薇となる
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灰帯ぶる藍のあはひにうす目あけ甘き月光吸ふ四足獣
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沈みつつ影も眠れる午前四時 文色あいろなきしかしてゐる
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銀灰の月の呼吸につつまれて会話のかたちにある白き椅子
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客人まらうどの去りて静けきくりやにて赤葡萄酒の赤きに沈む
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戦争も飢餓もなく日日詠みてゐるしあはせはこの頁の歌歌
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はつかなるこゑにも揺るる蠟燭らふそくのちひさき明かりのちひさきほかげ
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星なのか星屑なのか屑なのか天に流れて示してもらふ
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しあはせの青き鳥すむとりかごに何もあらずと云ふ人あまた
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家のなき人と蠟燭らふそくかこみつつ七面鳥の受難日に謝す
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黒豆のあかむらさきの煮汁にてこころ染めたき夕しぐれかな
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歌なのか歌屑なのか屑なのか風にわたしてをしへてもらふ
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銃弾の白き瞬時をスローモー//ションにて描きう歩く街
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浮かびくる桂の明き葉のまはりたゆたふ夢のまろき匂ひの
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薄紙につつまれてゐる白き死の日常性を透かして見やる
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