Utakata
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むらさき
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雅俗・調べ・時間
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ほの甘き洋梨を食み恬淡と生くることなど思ひ描きつ
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洋梨のかたちの言はむとする矜恃めぐりて腰を据ゑてみむとす
0
十五夜のつぎに麗しき十三夜なにか良きことうつしそむらむ
0
光り翳り表と裏を晒しつつくるくる落ちくる木の葉のこころ
1
ことのはの未来へ脱皮せむとしてかげろふの翅ひかり震へぬ
3
翳と翳かさなりあひて翳を増し光となりぬる黄菊の秘密
2
寝過ぐして白き床にて鬱ぎたる時に猫きてわれを見つむる
1
ひさかたの天より降れる光さへ包む能はず誰かのこころ
1
すきとほる心持ちにて生まれ出づる歌といふものけふを包めよ
1
眺むれば半月の放つあを白き影にとけこむつぶやきの時
1
白き影はばたかせ空にあらはるる独りと独りをつなぐる小鳥
1
つぶやきて一喜一憂するあをき惑星をけふも小鳥めぐりぬ
4
限られし字の縦書きにあらませば心さやけく伝はらましや
0
小鳥たちあをき果てよりほの語り空にうつりし声ぞわすれぬ
1
茜さす紫いろの鞄ゆゑ鮮やかなる夢抱へてくるる
1
虫食ひの穴から覗くセーターの別世界閉づる冬支度かな
6
雨降りて雪積もりても千歳へとひらかれてゐる白き道ゆく
2
おぼつかな歌屑いかに歌となり星屑いかに星となるらむ
6
猫時間過ぐしてゐるやこの宵も猫背となりて頁めくりぬ
3
長き夜の毛布に巻かれ読過する眠れる猫の背中に添ひて
2
灰色の雲に頬ずりされてゐるシアトルの街に午後2時帰着
6
秋色のみづ玉たわわに夢となり柿の実の園けふも夕陽す
4
紙とペン今朝も鞄にゆれてゐるふとやつて来る歌と遭ふため
6
小閑を盗みて歌を詠める時けふのあはひに色にほひそむ
2
雨音の聴こえぬ闇に寝覚むればぽつんと世界に雫落ちゆく
4
七色の旗のはためくこの街にいろいろなるひと虹追ひかけぬ
3
ひかり満つる秋のあかるき日に思ふみづからの死のときのことなど
7
その日とは白き風ふく秋にあり紅葉づる木木の甘く香る日
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開かれし空にむかひて消えてゆく裸木の下の影法師かな
4
鬱といふ字の様相の森にゐて降りみ降らずみ霧深まりぬ
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