Utakata
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むらさき
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雅俗・調べ・時間
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衰へてゆくときならば秋の日の繭に眠れる日だまりは何
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時をまつものをつめこむポケツトにまつぼつくりとどんぐりとくり
3
みづ玉にしつとり濡れて春を待つ雨ふる街の秋立ちそむる
3
四季のうち三季は雨季となる街の晴れの日に咲くうすき紫苑よ
3
春雨はほの白くふり秋雨はほの暗くふる雨の心象
5
老猫のうたた寝つつむ日だまりに手をさしのばす秋桜のころ
5
日常に人間といふ影うすく森と海と本または珈琲
5
一冊の本に渡りし夢ののち木洩れ日のなか今日の息する
5
玉ねぎの虹のかたちの曲線を刻めば泪つみ人となり
2
畑よりじやが芋ふたつ鍋底へ時間といつしよにことこと泣きぬ
3
星くづも花くづもとほき果てにあり野菜くづ今宵スウプとなれり
4
ぽつたりと朱いろに染まる葉の端に誰かの恋うた見しや幻
1
日に映ゆる黄金のいろの並木みち空へとさそふハモニカ吹きぬ
1
えり巻きのその先に揺るる天空へ落ち葉と風のつづきてゆきぬ
2
ぽつぽつとiPhoneに打つひと群れの仮名のたゆたふ時間の調べ
2
真名くづす戯れままにうつしそむ
女
(
をみな
)
の
笑
(
えま
)
ふ仮名つぶらなる
0
白き風ふくあぢさゐの枯れ色のあはきむらさき薄香のなか
2
金のすず音なくゆらし人を呼ぶ木犀の日はしめやかに立つ
2
金いろのかをりのつつむ小路には木犀のとき光りたゆたふ
3
わたる風にあかるく光る秋はあり
古人
(
いにしへびと
)
のおもひを歌ふ
2
もみぢ葉はひと雨ごとに薄きより濃き吐息にて色を深めぬ
3
薄黄より橙をへて深紅へと律をとほりてあやめ紅葉づる
2
枯野へとうつろふ色に音は無くいつしか白き果ての眠りへ
3
水槽の魚はきつとみづからの姿を知らずからふるにある
3
黄と青の縞模様にて人の目を操りてゐる魚の
水泡
(
みなわ
)
4
光りつつかたちを変ふるうたかたを
美
(
は
)
しき魚はいちづに追ひぬ
3
白光るうたかたと浮く魚たち硝子のなかの向かふへつづく
2
ぽつぽおと鳩時計つげ背のびしし猫のよこにて文庫をとぢぬ
5
鳩一羽ふりこといつしよに時ゆらす右へ左へ羽ばたかぬまま
3
羽ばたかぬ鳩といつしよに人も在り時間ばかりを見送りてゐる
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