Utakata
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むらさき
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雅俗・調べ・時間
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逬
(
ほとばし
)
る赤のたゆたふ風のなか亡きひと語る曼珠沙華かな
3
なほ熱き血潮のいろに立ち尽くし哀しき赤となる曼珠沙華
2
想ひ出をゆさぶりながら語る野に秋草はただそよろと揺るる
4
草の波およぐ黄金の風となりささめきわたる色取月へ
5
あたたかき色のささめき西に立ち森も草木も約束のなか
3
土色の器にあそぶ秋草の遠き日をよぶ風のたゆたひ
3
迷宮に入り込みたる今宵ゆくこころの奥の秘密のこころ
2
赤黒きプラムの闇を食む午後の温き甘さのしづむ溟濛
2
ほんのりと
酸
(
す
)
がりてもゐる此の果実うずくまるまま転がりゆくか
2
扁桃
(
アーモンド
)
のかたちの種を遺しつつ女体の夢と闇をうつす実
3
きつつきの木の間の響きかきくけこ此処ここ此処へと月低く来る
4
しめやかに薄藍の
栲
(
たへ
)
を光へとさし出づる朝まなうらにあり
1
鯨ともくぢらとも違ふクヂラなる生きものに似合ふおほきスマイル
3
空を飛ぶクヂラはきつとスマイルを世界の人にふりまきてゐる
4
星を喰み月を喰みまた夢を喰むクヂラの歌はとりどりに映ゆ
4
パレツトにとりどりの青を置きてゆく彷徨ふ気持ち静むるために
3
濁り来る青のおもひを汲みたがへ闇へとつづく昏き海の絵
3
あかよりもなぜあをなのや濃く薄くこころをひらく青の水平
2
やがてあをは聖なる声をもちそむる空と海またゴツホの青へ
2
鬱を呑む青にひつそり包まれて眠りてしまふ沈静の底
4
落としものさがしてあちらこちらへと後ろへ向かふ時間の小路
5
みづ玉は円く長くと変はりゆくかたちの消ゆる時間のかたち
2
かたち無き存在ゆゑに時をもちゆるやかにみづは追いこみて来る
1
みづ玉はぱぴぷぺぽつと落ちてゆくはるかかなたのうたかたおもひ
5
そのみちは白道といふ西行もはるか眺めし月のゆく道
3
裏庭の儚きものは銀いろのあさ露くもの巣なめくじの路
3
ひそびそとささやき灯る裏庭にひとり語りの西風立ちぬ
3
木にひとつ林檎の赤の鎮座して西風の呪文ききてゐるらし
3
雨さへも美しくある休日は銀の音色に本をひらかむ
3
放ちたきことを素直に放つ花たかき空へと鳳仙花飛ぶ
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