むらさき
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雅俗・調べ・時間

鉛筆は脳内ノイズと連動し予定調和の一首を記す
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金銀より小さき人の夜にとり☆は黄いろときめられてゐる
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横文字の流るる中に縦文字の気持ちを立てる夏の旅かな
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鞄には鉛筆ノウト文庫本てのひらに乗せ一興とする
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空想の生まるるところは雲のうへ小さき人へお喋りつづく
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草臥くたびれしこころに言葉は何もなく密雲の向かふ雨の降るらむ
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たれも知る人なき街の珈琲はほろ苦きあじ甘くなりぬる
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冷涼と人工の風吹き抜きて闇ゆき来する地下鉄の怪
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澄むほどに心は哀しくなりそむるしき罪とは青の結晶
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ふた葉みつ葉こころに任せ葉つぱ摘みすれば冴えくることのはの青
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緑風にうつつ遠退とほそきいざよふや天心の説く濃茶一服
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逆さまの小さき向かふの人ながめ逆さまの時を食むスプウンよ
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父と子と聖霊の意は、知る、為る、在る。精神、肉体、魂といふ。
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闇と檸檬しじまにうつる時間のみ密なる意図を愉楽してゐる
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木の蔭に在る白き椅子ひとよりも蜘蛛と羽虫と西風を呼ぶ
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炎天をより光らせてゐる石の色の伝ふる風と波の音
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土色の水たまりにも雲流れ向かふのそらの時間をうつす
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Let it go 知りてはゐても難しきそのままにしておくといふこと
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夏の雨と葉の風わたる木洩れ日をみて満月、檸檬のかたち
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月の宵ひかりをかへす白き桔梗かげはしづかに韻を踏み立つ
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星あまた降りつむ夜にいにしへの歌人うたびとたちの見し月の舟
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彷徨ひて闇のみそらを仰ぎみる青のかけらの吐息のこして
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あはひ在る、とき、もの、いろ、を愛すれど、ひと、のあはひは分からずにゐる
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さざ波にきらめく月の光あびララバイとなる人魚の祈り
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海溝へ降りゆくときは鮟鱇あんこうくらき心をしづめてもらふ
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もののふを花にたとはば薔薇のぶなが牡丹ひでよし向日葵いへやす
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芍薬も牡丹も百合も寡黙にて化粧の意味など教へてくれぬ
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歌を食むクヂラは銀の月光にどれみふぁそつとララバイうたふ
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うたかたの消ゆることのは受け留めて頁をめくる夏の指先
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さざなみに海のかけらとなりし歌なほもたゆたひ影すきとほる
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