Utakata
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むらさき
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雅俗・調べ・時間
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刃となりし硝子の
破片
(
かけら
)
のプリズムに小さき虹あり傷を癒しぬ
2
日もすがら窓辺に座る海の石すべて見透かす無言のままに
4
星のかけら月のかけらは夢のかけら人みな真夜に求め追ひつる
1
みづ色を夜のしじまにあてはめて透きとほること響かせてみむ
2
けざやかに茜あやつる
変化
(
へんげ
)
とや
鋏
(
はさ
)
む
能
(
あた
)
はずあぢさゐひともと
1
歌屑をとぎれとぎれにちぎりつつ
鴇
(
とき
)
色の日の暮れに放たむ
1
やはき
栲
(
たへ
)
につつまれ低く鼓動する遠きうつつのオキイフの白
2
天いろの宙を追ひかけ空も海もやさしき青にたどり着きぬる
1
鏡には綿のパンツにシヤツ帽子かざらなき日のわたくしうつす
2
ほつほつと小花をちらす
涼風
(
すずかぜ
)
にたゆたふ白き夏の南天
2
みづ色を好みしゆゑにみづ色はいつも小さきかなしきクレヨン
5
風を切りあをの線画を貫けるつばめの空を抱きてみたし
1
赤ばらの花びらの底に羽虫ゐて赤き壁より宙を見あぐる
2
くたびれし頁の余白にひそみつつ意味をころがす歌のことのは
3
灯台より世界を見わたすつもりにて鴎とび立ちただ旋回す
3
やはらかき花びらに眠る記憶にはおやゆび姫の吐息のほのか
2
ポケツトに億光年を秘め持てる小石を鳴らしをのこ走れる
4
空と海とかさなりとくる閾値にて水平線はしづかにとまる
3
海かぜに吹かるる丘をそぞろゆき夏の細胞そらにわたしぬ
1
光背の白一色につつまれて眠りてみたきオキイフの画よ
1
鬱の波うねりて宙をひと呑みし水色の街ちひさく光る
3
うす紅をおおふことにて粋まとふ鹿の子百合ありうすく羨む
1
此の猫は右利きなるやいつもいつも右前足をぽこり差し出す
2
ひとの影ひとの声とを追ひてゐる化身のごとくある水芭蕉
1
くりかへしよみていまだによめぬまま海にしずめる青をみつむる
3
いくどよみいくどこころをとざししや青の深さをしらざりぬるゆゑ
2
さびしさをしるこころにはかなわぬとしりてふたたび海の青よむ
3
散り敷ける額あぢさゐの星屑は青むらさきの夏の夢かな
5
あからひく朝のよろこぶ窓辺にて七月ひとりまたもさてはて
3
歌屑を飛花落葉に散らせつつ眺めてみたき雲錦の宵
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