Utakata
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むらさき
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雅俗・調べ・時間
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昏
(
くら
)
き空と
昏
(
くら
)
き海もまたあるものと切り裂けずにゐる水平線よ
3
みづ色のとんぼの眼鏡をかけてみむ空へ想ひをとき放てるやう
1
濃く薄くあぢさゐの色にたな引きて夕暮れを待つ空のありぬる
4
そのままを受け入るる意味の階調を水平線に模索してゐる
5
時間にも人間たちにも追はれずに自由の闇に沈みゆく猫
3
思ひ出をひとつふたつと消してゆく老いゆく人の無色の原野
4
包まれる夕焼け小焼けのメロデイの甘く哀しき遠あかねかな
2
なべて色はみづ色といふ空のいろ海のいろまた雨のいろかな
5
無造作に並び順かへ眺めつるクレヨン箱の深層心理
5
指の間をグリンピイスはこぼれ落ちぽろぽろぽろと記憶の底へ
4
さ緑の思ひひしめく
莢
(
さや
)
のうちグリンピイスのつぶやき聴かむ
2
おるがんとはあもにかの
音
(
ね
)
流れそむそふぁみれどんなこともできると
3
風そよろ額あぢさゐの和らげる午後に広がる淡青の影
1
重なりて透かしてうつる青き影ひとの機微にも見ゆるあぢさゐ
2
鈍色は空を染めれば厭はれて猫を染めれば愛さるる色
5
嗄
(
か
)
れ声をチヤコオルグレイの闇に置き秘密を満たす真夜中の猫
3
ひしめきて揺るる文字列みえて来て不可解なる風吹きそむる章
1
なきことを想ひ追ひかけ繰りかへす主役不在の無言劇にて
4
黄昏に鉄線一輪ひそとあり
薫
(
くゆ
)
るむらさき闇にとけゆく
5
曇り日の海を思ひて
選
(
よ
)
りし石ひすいの飾りを胸元に置く
4
灰み帯ぶる青の広がる湾岸に白を貫く鴎の一声
2
秒針の几帳面なるつぶやきの気になる時と気にならない時
4
此の色をとどめておきたしあぢさゐの清らで淡き青を心に
3
淡青は詠み重ねても詠み足りず今日も再びあぢさゐに逢ふ
4
灯台の
天辺
(
てへん
)
に動かぬ鴎ゐて意味あるふりをしてゐるのやも
5
耳にする吠えごゑ木木のさへづりをいかに翻訳するや此の猫
5
木洩れ日の揺るる窓辺にことのはを拾ひ零して忘れてしまふ
4
時も空もあはひにありて妙となり人のあはひを濃く薄くする
4
転がらず程よく止まる意志を持つ六角形の鉛筆の性
2
雨上り淡青色の星屑をなほ
鏤
(
ちりば
)
むる額あぢさゐかな
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