Utakata
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むらさき
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雅俗・調べ・時間
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波と雲とみまがひ白の御伽へと入れる空跳ぶ兎の話
2
悲しみを薄むるものは時とふを信ずる人のカンバスのあを
1
かなかなと疑問符を集むひぐらしの問ひの答へは誰も知らざりぬ
3
気の長きなめくじらゆゑの銀いろのゆるりと延ぶる幻の路
2
さまざまなる波にたゆたひ現見ゆ闇と光と花と言葉と
2
ひさかたの星月夜には青の渦巻けるゴツホへみな眠らする
4
ま白なる波かぜはこぶ虚空にて秋津の翅は幻を継ぐ
3
夜と朝の闇と光をとほり来る音のなき青のニルヴァーナかな
2
壊るるもしたたかにまた編みそむる儚きゆゑの銀の蜘蛛の巣
4
信ずることなにもできずに全形を喪ふゆふべ月と檸檬と
3
此ののちも億光年の風を聴く石の在りかた心にしまふ
4
吸ひて吐き息をして知る秘密ゆゑ森も浜辺も精霊の国
5
固まりて動かぬものをときそむるそつと染みいる水と時間と
5
何もなく何もせずまた何ものでもなき個体への青白き夜
4
あまたなる青にこころを見透かされ遠く深く濃く見返してゐる
5
とけあふこと無き青ゆゑに潔く水平線に世界を分かつ
4
みづ色の氷のうかぶ南極をおしへてくるるハツカ飴かな
5
水やりに小さき虹の立てる庭あはきあを葉の田舎へつづく
4
瑠璃玉とみまがふ露をちりばめて虹へと消ゆる薄き紫陽花
2
ひとつ露の抱けるおほき夢ごとはしづけき森に立つ歌の虹
2
薄あをと薄みどり色の壜のなかラムネの恋はうたかたと消ゆ
5
風そよぐ草葉を横目にサボテンは謎の覚悟の塊となる
2
鈴の音にちりりと揺るる色残す風のなでゆく一の字の猫
3
掴みても掬ひてもなほ色のなき青をうつしてある空と海
3
地に引かれ堕ちたての林檎ひんやりと夏の日の手につめたく座る
1
傷つきし林檎に蟻や蜂群れて隧道を掘る先には宴
2
迷ひ無きひとすじの黒につながれる宴ゆめみる蟻の万歩よ
2
話しつつ山川草木その空もつたふる人の発声練習
1
目覚めてもま白の
栲
(
たへ
)
に抱かれて螺旋をたどり巻き込まるるまま
3
オキイフの白きなる花に抱かるる幻に在るおやゆび姫よ
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