Utakata
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むらさき
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雅俗・調べ・時間
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きみどりからきいろと薄きだいだいへもみづる木立ち夕焼けてゆく
3
めいぷるのほの甘きかをり漂はせ砂糖かへではお星を降らす
3
蜘蛛の子の歩き遊べる書棚にて時間のなかの絵本ねむりぬ
5
きみどりの葉つぱはハートのかたちにてふはりと軽くかはりゆく今日
4
あたらしき息をかへしてつながりぬハートの葉つぱと以心伝心
2
人びとのお喋りを聴く一角に背のびしてゐる観葉植物
2
うすき影なれどもあかるきかたちなる葉つぱは無言に語りつづけむ
3
卓上に秋とふ色と姿にて置かれてゐたる富有柿二つ
3
羊雲よきことのある兆しとふよきことなくともそのままにあれ
5
越ゆること後回しにする日常性この壁の高さ見上ぐるばかり
3
赤茶けし皮の鞄をあけたれば昔の人とかさなりてゆく
3
ふうはりと星の科白をつぶやけるあはき黄いろの落ち葉の叙情
4
かさこそと嘘といつしよに吹きだまる軽きカ行と小さきサ行
4
蝶と秋はかなきかたち舞ひてゐる硝子のなかのf植物園
3
もんしろ蝶あげは蝶ふと指の先わの字とれの字われの字とまる
3
この宙によせてはかへし不可思議なるあかるき蝶の日だまりつづく
3
朝なれど
加密列
(
カミツレ
)
茶いれ考ふるあるかなきかのあしたのことを
2
春を抱きいざよふゆゑの光りかたしてゐる秋のおほらかなる日
3
鞦韆
(
ぶらんこ
)
を漕げばお
伽
(
とぎ
)
の国のあを切り絵の翳の木洩れ日に透く
5
亡きひとの手の温もりを想ひ出す空の光れる西風のころ
5
ひつそりと時といつしょに横たはる藍の器に孤独を盛らむ
3
ちはやぶる神代の色をまとひ来る竜田姫とのたそがれ逢瀬
3
さくら色うす色をへてみづ色へ黄昏を待つ空を贈らむ
3
ほんのりと二藍の宙をつつみこむ藍と紅との懸想の調べ
2
うす色はさくら色からみづ色へ誰かの心をひつそりうつす
2
夕暮れを切りとり折らむ風船と飛行機と薄きあぢさゐの花
4
風のころ色づきそむる街のうた秋はひらきて空に浮遊す
2
手のひらに赤や黄色のおしゃべりのかたちをひろふ小径の時間
4
飴色の襟巻きをして狐たちうつろふ森の北へと消ゆる
3
秘かなる時間のひそむ花びらに迷ひこみたる蜘蛛の子ねむる
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