Utakata
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むらさき
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雅俗・調べ・時間
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雨の音に濡れてゐる藍いろの闇ここより白き朝へつなげむ
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手鏡にうつれる昏き霜月に老猫のこゑ弱く響ける
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隠謀も不条理もすべて悪夢たれ鏡のなかの向かふ側にて
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はばからず落ち葉を拾ふひとの手に少年の日の星光りそむ
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風の声をうつし重ぬる雲路には絡まる思ひこなたかなたへ
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太陽と仲よくならむと思ひ立ちオリーブ色の手帖もとむる
5
亡き人の面影とともに濡れ光る落ち葉ふみゆく諸聖徒日の朝
1
霧のなかチヤペルの地下の白きなる精霊の棲む納骨堂へ
1
聖堂に天使とびかふ季を迎へ蔦の葉朱く鐘にとよめり
0
記憶とふ時間をこぼしてゆく人に肩もみをして記憶を贈る
1
思い出をぽろぽろどこかに無くしても帽子の翳の目のほほ笑みぬ
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雨の音に包まれてゆく季であれば透きとほる歌うたはせたまへ
1
火の爆ずる音の記憶にとけながらほむらの赤と揺れてゐる夜
1
沈むとき野菜すうぷをこしらへて煖炉の前の夜といただく
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闇に濡れ鬱の毛布に包まるる街のいろかな 夏時間
終
(
つひ
)
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安宿
(
あすか
)
とは安らぐところ誰も彼も求めて止まぬ歌あるところ
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横文字の追ひつめて来る片隅に歌の明かりをいつも眺めつ
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屑ばかり積みあげてゐる小部屋にて花くづ歌くづ星くづ愛づる
1
眼鏡かけ笑まふ素顔を知りたくて飛ぶ鳥けふも海を渡れり
1
歌つなぐEtoEのおかげゆゑ心うつせる秋の夕暮れ
1
佐保姫と竜田姫なら人を濃く染めあげてゆく秋の姫かな
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耳鳴りの潮騒を聴く闇のなか眠れぬ夜の約束として
1
少しずつ歌の呼吸を覚えては今この時のことのはに継ぐ
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からだごと空に開きてゆく気持ち大切にして薔薇をめぐりぬ
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こよひ月は冴ゆる光に心をばうつし異界へ持ち去りゆきぬ
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かかやける月の平野に棲むといふ聖なる兎おひつる兎
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月はなほ木の間より洩れつつみこむ知られざる心その奥までも
1
つつみこみ冷たき指先ときほぐす一杯のここあ蜜もたらしぬ
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寝返りを打ちながらまた考ふる恋の色かたち濃淡のこと
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韻文となりて佇む秋草を青白き影につつむ十五夜
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