むらさき
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雅俗・調べ・時間

錯覚のひと色となる白の面に委ぬればもう小さき人へ
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渦巻きに吸はれ戻されうつつへとオキイフの花の妙に佇む
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満月は白磁を割りて雲におき朧のうちに横笛をきく
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垂直に空から落つる無意識はハチドリなりの承認要求
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1と0の世界に支配されながら2となる真青まさをへ鴎とび立つ
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箱といふ折りめ正しき空間へ入りぬるものもの落花狼藉らうぜき
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ひとつづつ居どころを得て納まれる石や長閑のどかのかたち
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箱のなかひつそり過ぐる時間より終のすみかを教へてもらふ
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人ならば遠退とほそきたくも花と雲と草と光の波は愛でつる
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傘ひらきゆるりとあはひを創り出す雨の日みづからみづみづしく在る
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傘のなか小さきあはひと歩みつつ雨音を聴く雨垂れを観る
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落つる図かあるいは跳ぬる図なのかも雨垂れといふ感嘆符のこと
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青いろのにほひとおとの思ひ出は白くふる夏の雨へとつづく
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罫線の心づくしの銀の雨されど言葉はななめにうたふ
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ひもすがら鴎は一本線をひき世界のけじめを何気に示す
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今はただ種となり眠るいつの日か一本の木の風となるため
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森のなか祈りを拾ひ抱擁すハンカチにつつみ誰に贈らむ
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水底の悲しみうたふbluesに空のblueもとけこみそむる
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原形をうしなふための冷たさと美しさ持つ氷鳴り来る
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うへを向く空したを向く海うごく起点は真んなか鬱なる鴎
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灯台からのぞむ鴎の使命とは青一色の定点観測
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行き先を分かつ線路の交点の錆びても熱き正しき道程
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点と点つなげて空と交信するとんぼの風は時のあまいろ
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ことのはの林立してゐる気色より歌にほひ立ちときに迷へる
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葉はあまたいづれをらば光り来む永久とはにかかやくことのはのうち
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西つ方うす色にじむ階調を紫陽花雲と名づけてみむや
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平積みの本の天辺てへんの檸檬へと夜は月光こぼし与ふる
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ほの光る檸檬のかたちの放ちたる南の島のカナリヤのこゑ
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瑠璃鉢にみづをたたへて花びらと葉を浮かべただたゆたひてみむ
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羊水を満たし蠢く赤き月ひと刺しすれば未来あふるる
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