投稿す 自分の個性 何処へと 評価だけに 囚われる今
0
ダイヤにも 負けず劣らず 望月を 箱に閉じ込め 手元置きたい
3
未だ明かず黒さに飲まれて隣室の物音だけが引き留める綱
1
バベルから始まっている創世記巻頭のこれらは絵だろうか
1
一夜茸のようにつややかだとしてもそのユートピアは食えそうにない
2
ブレンドの湯気の向こうで注がれた笑顔で今日のコーヒーは甘い
2
夕陽だろどうせ感動させるんだ青春だなって思わせやがる
7
指先で挟んだ頁は見せないよ 雪が本にも靴にも染みる
9
奥底はネクタイとベルトに挟み今日も真顔で保つ日常
7
悲しみにくれて小雪の道しるべ椿は今宵燃えていますか
3
朝起きて 窓の外には 淡雪が 君と同じですぐ消えちゃうね
4
垣間見たあなたのあまりの優しさが泣きたいほどの来る死さでした
1
微と徴を博打で書いている上に小さめにして誤魔化している
10
出会った季節はもう来なくて 別れる季節ももう来なくて良い
1
寒空さむぞらや 水滴窓を 一閃す 
3
時間なら放っておいても過ぎるので無視して茸狩りに出かける
3
初恋の上書きできない男らがペコちゃんの店でケーキを求む
1
見ず知らず名前も知らないアナタへと三十一文字の歌声よ届け
4
海沿いの駅に列車はドアを開け北風の吹くカデンツァを聴く
11
手と首が疲れるけれどデジタルにない感動があるから紙派
4
Fall in Loveの重力加速度は9.8より大きいらしい
7
仄暗い雨の日の朝似合わない架空の色のマニュキアを塗る
5
からっぽなままがいいんだ からっぽはつよくてもろくてじゆうなんだよ
3
マジですか 割とショックは受けたけどそれって今言うべきことですか
5
具体的理由がなくても人間は時々狂うものでしたよね
2
窓外の海は雪呑みなほ暗く年越し蕎麦ののち抱け 君
4
ありがとう心ふるはす音楽と愛犬ともに眠れる一年
5
一歩ずつライブ開催し始めるこの年の瀬が吾の新年
3
顔も見ず「何階ですか」「五階です」知らない人と空近くゆく
11
うゐのおくやまけふこえてあといくつころなのもやをかきわけながら
1