伊藤杏奈    フォロー 27 フォロワー 22 投稿数 95

丸の内線とマクドナルドと空が好きです。

「じゃあまたね」 そっとつぶやく 「じゃ」の音は ジャスミンティーの「じゃ」と同じ音 

あの夜の二人の秘密を暴くため シャネルの5番で合コンに行く 

彼氏ガチャ回して開けて繰り返しどれがレアかも分からずにいる 

味のないチューインガムをもう一度含んで咀嚼するような恋 

僕たちは起き上がれないだるまさん はじめの一歩が踏み出せずいる 

髪を切りリップの色も変えたのに君はウルトラマンばかり見る 

放課後に「愛の二乗はマイナスになる」と教えてくれた先生 

味の無いガムをこっそりポケットに今夜はあなたのわたしに戻る 

皮肉にも現実リアルの充実の度合いと投稿数が反比例する 

インスタで一番いいねがついたのは胡瓜を散歩させるおじさん 

「きみ」「おまえ」「ぼく」「てめぇ」「あなた」英語ではみんな等しくyouと呼ばれる 

今日は伸縮性を考慮したガラスの靴が量産される 

悪を討ち己の正義振りかざしぼくらは偉大なホモ・サピエンス 

ちびっこといけないことが出来るなら東京湾を漂流したい 

人間が視力検査の輪っかなら欠けていても許されるのにな 

平成の夏の終はりを告げたるは秋の御空に伸ぶ曼珠沙華 

ばあちゃんが作ってくれる味噌汁は葱とわかめとまあるい豆腐 

黄昏の秋の河原は芋炊きの香を運び薄が揺れる 

ベランダに転がる蝉は生活の一部になりたかったのかしら 

慰めも指輪もキスもいらないわ わたしはひとりでしあわせになる 

彼?好きぴ?愛人?セフレ? 日本語で定義できない あなたといたい 

「きのこよりたけのこが好き」なんて嘘 はじめから愛なんてなかった 

築十年2DKの心臓に同居している夢とトラウマ 

ミルクティー飲み干したあと無個性のタピオカひとつ咀嚼していた 

指先で三十秒で作ってるファストフードみたいな短歌を 

八月の三十八度の恋に落ち 何色のベンザ飲んだらいいの 

ワンピース袖からのぞく肩紐をそっとくぐって夏は過ぎゆく 

ルマンドの中に生まれた空洞が教えてくれた生きるむなしさ 

「インスタで映える彼女になりたい」と中目黒から届いた葉書 

きみのこと短歌のネタにしてるのがいつバレるのか怯えるわたし