僕の弱点を聞いたら「よく知らないけど」と前置きしてくれる人
4
三月をそっと掬って蓋をして 蕾のままなら散ることもなし
10
雪兎もうさようならよと消えてゆく南天ぽろり涙とともに
6
吹き消してほしいこんなに美しい雪原にいて燃えるわたしを
9
若き頃、青い鳥へと文字を吐き、今はこうして泡沫と踊る
5
謝ってばかりの人生だったから「先立つ不幸をお許しください」
3
「二十五を過ぎたら死ぬしかない」という歌詞に私は生かされている
3
食べないの? 窓辺のベビーリーフ 黄色い小さき 主張の花咲く
13
ストーブの前はあなたに譲るからそのままでいてここで息して
7
大河みて秒で泣き顔スタンプを 母に送れり ロス甚(はなはだ)し
7
映画館 感情ばかり渦巻いて 初めて立った エンディング中
4
わかったよわかった全部わかったよ大型犬になればいいのね
11
休日を終わらせたくないこんな夜も 車窓に流れる人の「日常」
12
わたしはたしかに寝たいのに身体が寝床へ向かってくれない夜
5
赤ちょうちん友と道草一杯が二杯になりてほら男爵になる
10
ささくれた心を埋めるため食べた、ボロネーゼは腹のみ満たした
7
布団、部屋、家や世界で独りでも、きっと私は声殺し 泣く
5
むすび出(い)づ かたき蕾(つぼみ)の張りぬれば 春の吹かせし風やとくらむ
5
浅春に じゃがいも種イモ 土に埋め 芽吹く命を 楽しみに待つ
9
その先に続くことばはみとめない最後のさようならにはしない
7
知り合いの初出産の予定日は もう三日過ぎ雛の祭り日
3
次々と初ウイルスの現れて 我が家の予定ぐちゃぐちゃになる
4
「とりあえずこの日まで生きよう」を繰り返し繰り返し繰り返す日々
11
新しい服もヘアカット(カット)もいつだって ほめてくれたね  嬉しかったな
7
週末に掃除洗濯作り置き 米を小分けにポケットからジャズ
4
命無き綿に想いを吐露しては、口無き友よ、涙を吸って
3
尊きは 神の御霊の 影響を 受けて生きれば キリスト似たり
1
これ以上 何を望むか 人生に 自分のことは 二の次にして
1
物語、産み温めて孵化すより、育て看取るのが難しい
7
どう楽に生きるかどうか模索した。糸のほつれに首をもたれて。
5