言いかけた言葉が胸に突き刺さる 恋は一種の拷問なので
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ああまただコイツが当選(う)かる選挙区(まち)がある愚かさこそが権力になる
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真新し いのち見出す紫陽花の空まで届く芽はつややかに
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まあみんな好きで生まれたわけではない、というあたりから話しあいたい
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謝られても私の心は元に戻らないので別れましょう
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暗闇に 照らすは太陽 月灯り 今日はここまで 天の告げかな
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取り出して眺めてしまう思い出は反芻されてダイヤの硬度
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コロナ禍に淡墨桜を見に行った千五百歳満開である
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きみはきみのにおいがしてる 同じシャンプー使ったあとでも
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ただ光のみ糧として生きてみたい青い葉をもつ草木のやうに
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なんどでも恋をするのだ いちどすらわたしを好きにならないひとに
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なかぬならぼくがなこうか不如帰 君の故郷くににも春は来たかい
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貸し出しのラベルのついた傘が(また虹が見られなかった)と悔やむ
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二度と会うことなんてない だからほら馬鹿なふりして笑って見せて
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匂いまで同じじゃなくていいのに嫌いな人を思い出すから
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憧れて高くなりすぎてゆく愛を越えられなかった者から狂う
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花びらが踊っているよ下ばかり見て生きるなら充分よねと
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うららかな春の朝日の祝福を致死量浴びた死体の目覚め
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美しい脳と翼がビル街と見紛うほどの楽園に墜つ
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ゆめ、きぼう、みらい、きらきらたくさんで紡がれた輪が首を待ってる
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脱毛をしよう夏服見に行こうそれで前見て歩けるならば
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お互いに気遣いあって大皿に出汁巻きひと切れのみすぼらしさ
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網膜に寝れない罰が焼き付いてよく知る比率した自傷癖
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蒼白い光くらいで狂うならその程度だろ朝とか夜とか
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満たされて今が良き日であるほどに 怒りが錆びてバカになってく
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賛成の星のまたたき五割以下、よって就寝否決となります
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魂が昇る準備が呆けらしい。慎重な祖母らしいっちゃ、らしい
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眠りすら薬頼りの情けない私が代わってやるから、おやすみ
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「親の顔より見た」の数増えゆけど減ることはなし更地見つめて
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この町がすきだ、不便で地味だけどのんきな顔で猫が落ちてる
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