手の甲の知らないうちにできた傷 牡丹の赤と比べてみたり
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青栄えのしほに干さるる紫陽花の傍辺に咲みし水仙の花
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スマホ見つつ街に群れ為す食べログの星に吸い寄せられてく兎
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人はなき浜に律儀なやぶつばき落ちては鳴らす琴引の沙
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あと二日 私の武器は 自信だけ やるだけやって 嬉し泣きしよう
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サヨナラと言う君の笑み美しい誰かが言ってた散る桜の木
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沈黙の長さが2人を感じさせるいつまでも続け早く終われ
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静寂が二人の間にやってくる頭の中がぐるぐる回る
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仕事中 画面をじっと 見つめてる 疲れた目には ホットアイマスク
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元気ない 君の顔見て プレゼント 私のおすすめ 美味しいマカロン
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呪ったり罵ったりの言の葉もさきわえ路傍のよもぎほどには
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君の部屋 茶色い箱で 埋まってる わかってた。わかってたけど。
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発車のベル 近くて遠い 一メートル あなたの前では 笑顔でいたい
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寒さ耐え 車に乗ると 目の前は 氷が張ってる フロントガラス
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あかい空背負ってきみが振り向いた シャッター代わりにまぶたを落とす
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マフラーに六花が咲いて息で溶け昼の白月おとなしく消ゆ
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幸せになってねなんてずるい君幸せになるね息が白い
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入口のみ消毒液は設置され客が持ち込む前提である
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枝先に止まるウグイス湖の雨寒きにも見に行く私
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笑いたくなければ笑わなくていい自由の主張としての無表情
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明日から二分の一の呼吸だけになる部屋ネクタイ曲がってるよ
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雪は春の足音を吸い取って 君の体温だけが移った
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「ごめんね」という感情と闘っていた 君のこと見ているつもりで
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自殺しちゃいけない理由わけは分からないでもとりあえず君と生きたい
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先に立つ影を燻らせ金木犀またねと手を振りそれじゃあ夢で
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俯いた君の隣でいつまでも寄り添うノンステバスになりたい
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だいじょうぶきっと生きていけるってたとえ推しが感染しても
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最後の日とは言いつつも変わらずに特別な日の終わりのみ告ぐ
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時代越え 令和を生きる 九十八 今を詠う 大正生まれ
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好きな人の一字一句に一喜一憂 やめたいのだけどやめたくない
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