友達のいらないおれは方角のない街にまたにらまれている
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赤色の大きな橋が色あせて霜降り肉に似ている正午
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見てごらん月の消えない朝だから夜の魔物が彷徨いている
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罪の色染まりしわれを切り落とし、切り落としゆき迫るたそがれ
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何年も同じ恨みを繰り返し歳は取るだけ夢は見るだけ
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別れても嫌いなあの人変わらない記憶は止まり時は流れる
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風が吹く真夜中の夏窓を開け数年前の澄んだ気持ちに
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繋がりたい 繋がれなくて君だけが夏の星座の一部になった
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ぼくを痛め付けるあなたも半分はやさしさでできているのでしょう?
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友達はいなかったからいいねだけが繋がりだったの奪わないで
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人気の歌も科学的尺度ではゼロと同じでまるで世界だ
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向かい席 いつも頼んでたミルクティー 締め出すようにレモンを絞る
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君が今朝食べたいと言った肉じゃがが音もなくただ冷たくなって
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帰宅して麦茶ポットをこじ開けて一杯分を残して戻す
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無内定 増える吸い殻傾く陽 何もなくてもこれは我が夏
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雨音がやめば一匹蝉が鳴きすぐ本降りになってしまった
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フリージア 君待つ喫茶は フリージア あどけない君 フリージア好き
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朝起きて朝飯前に思い立ち車走らせ旅の代わりさ
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腹痛が死ぬほどつらい 来世では胃も腸もない草になりたい
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白糸に絡め取られて息絶える彼の人をただ夢想している
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しあわせになってほしいと振った手は涙をとめる役に立たない
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スパゲッティはパスタのうちに入らないわんぱくすぎてはみだすから
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傘立ての四隅をとられわからなくなるだろうから帰りは走る
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リズム打つ隣の寝息ここちよい あなたと生きる決意再び
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2度目会うなんて思わずワンピースしょうぶふくなんで最初に使い切るかな
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少しだけ仲良くなった塾友がカンニングしたと澄んだ目で言う
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昔からここに居ましたという顔で、カラ館佇むシダックス跡。
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シャンデリア、螺旋階段、Live DAM。今はもうない、街のシダックス。
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犬のため 一日クーラーつける人 あっという間に注射を刺して
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みぎひだり、普段はどちら?問われれば 二本差し出す 血の気なき腕
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