ガリガリと噛み潰せたら楽になる 自分のことが一番嫌い
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切りすぎた眉毛を笑うやつに告ぐ「観察しててくれてありがと」
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てにをはをきちんと使える彼のこと少し気になる放課後の道
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夕されど尚も明るき晩秋に久々会わぬ友等思えり
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「赤・黄・青!ボクは信号守ります」甥に連れられ手を上げ渡る
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きみの家 だからだった泊まるのは 本当ほんとに何も無くて来る朝
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混ざりたい この人たちにあいたいと 口の先から自分を溶かす‬
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思考などとうにできなくなっている喘ぎ声出すだけの植物
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‪現実を忘れたいから旅に出る給料なんてただの数字よ‬
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「ニャンニャン」と鳴く猫家に入りける 我も手を振り「ニャンニャン」と云う
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‪あのひとに似ている人と目が合って逸らされたから本人かもね‬
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特別に愛されたいと言うくせに愛しはしない貴方の歪
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スキ←→キライ 同じものだよベクトルの向きはいつでも容易く変わる
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‪誰にでも優しい君のユイイツがほしいよ早く嫌いになって‬
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香をとめてあくがれいづるこころかな金木犀のほのかにあまき
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さようなら悲しくなんてないよなんて嘘をつくのがうまくなったなあ
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駅前を離れてからも四、五分は思い出せない自分の歩幅
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止まり木になってくれてた貴方から旅立つ日には雨が降るだろう
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ぷかぷかと浮かぶマシュマロコーヒーの海わたしにはやや甘すぎる
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八月の柱があった広場には 緑化してゆく鐘だけが鳴る
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大切なものは目に見えないという夜鷹の星がそう告げていた
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愛するにいたる閾値は小さくて安いと言われようとも叫ぶ
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愛情と リネンの匂い 夕暮れに カーテンの隙間に 隠して眠る
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手のひらと手のひらあはすそれだけで思ひ伝はる魔法もがもな
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反省を促すように遮断機が行きも帰りも内角を攻め
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複雑な君の本音が解らずに赤鉛筆で引いた補助線
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曖昧な君と僕との境目をなぞる指先赤色の爪
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黒くもやかかる薄暮の橙色君の香りを思い出せない
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空っぽの部屋全て嘘存在と自我を捨てよう月曜の朝
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ざんざんと粉々になる 私だけ上手く生きれずブロイラーへと
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