じいちゃんが 死ぬ時空に祈ってて 僕も死ぬ時やろうと思った
6
ほころびを見つけるたびに繕って 繕うためにほころびを探す
5
いにしえの森にきらめく始祖の翼きみのお陰でぼくらは飛べる
4
一向に進まぬ時計の針睨むいまだ聴こえる隣室の歌
9
帰宅して 上着も脱がずに猫を抱き 上着を脱いでも猫を抱きしめ
8
ひとしきり話した後に吾の声が母と同じと妹ぽつり
29
瓶中で黄色の薔薇が咲き誇るそうだわたしも誇って咲こう
19
ゼロとイチ誤りのない世界なら君もあやまち犯さずすんだ
8
とつぜんに ヴァンアレン帯 きえたなら しんじゃうのに なにしてるだろ、ぼくら /最近 太陽フレアが同時に二個発生
5
君の眼は余りに澄んで疚しさに写真の笑みを塗りつぶす夜
3
「人生の最後に何を食べたいか?」 つきつめてみれば 母のたまごやき
9
2時間超え 金ローも最近しんどくて 映画館行き ためらっている
5
ぷりずむの わけてもみえぬ ひかりなか ほのかほのかに はるの赤外線
12
プリンターの不調探りて四苦八苦ITオンチの夫を尻目に
8
この世界嘘つきばかりで窮屈でそれでも笑って生きていくんだ
10
寒くても雨は春の陽連れてくる 七日後に逢う桃色緋色
8
あの人へ供えた花を火にくべて反魂香のまねをしてみる
5
軽々に人の批判はしないことすれば自分に跳ね返るだけ
8
満月や あなたは誰の キューピット? 綺麗と囁く 殿定まらず
4
かいごって うんちたべもの いしそつう あとはそれなり いきてりゃいいさ
10
海原の支配者たるその怪物の授かる戒名は「奇妙な海老」
2
鹿も牛も鯨の仲間ときくけれど誰の仲間とも呼べないわたし
5
むしゃくしゃの気持ちはどうもむしゃむしゃが癒しな気がする行くぜケーキ屋
7
今日もまた 過去を砂糖に 変えてゆく 残る未来は 7色のスパイス
2
思い出は とおいミライに おいてきた あれなんかちがう? また出会えるね
2
こまやかなる細工ためり蝋梅らふばいの くゆり滿ちてはまことしと知る
4
十二位の今日の運勢忘れてて正しい姿勢でマウスを叩く
15
飽きもせず ハンドル握る 壊れ人 繋ぐ手なくて いる場所なくて   
5
母の言う「ひき肉です!」が宮迫の「宮迫ですッ!」と同じ言い方
8
死のうと踏み出した足が重なるそれがわたしたちのはじまりだった
3