いいね、って いつもより遅い親指は誰も知らない感情を持つ
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可愛いと思ったあの子にタイプを聞いたら「ルパン三世」ときたもんだ
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朽ち果てた恋を今でも彩って 健気さだけのコスモスの花
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試験前に限って浮かんでくるんです 良さげな言葉、良さげな短歌。
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「漫画とか読んじゃうんだよねテスト前」 語るあの子はほら、高得点
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覚えてもどうせ終われば忘れると説きつ机に向かう試験前
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夏に雪降らす蛙の幻想や 静かな死たちを踏む喧騒
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晩秋の寂しさの中 夏心思い出せずに雲は流れて
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十字路に赤色危険が灯るその一瞬2秒間だけ世界は 止まる
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コーヒーに砂糖とミルクを入れる僕 予測変換「ゆ」だけは苦い
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知ってるよ君のその手に触れるのは僕じゃないこと もう遅いこと
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白い月ああなんでだろ両手には曼珠沙華と眼、血を吸う花よ
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うつくしいひとの心を語るとき 美人美人と言うは醜き
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送りしほどの 話のあらまし 覚えたらず かかることより もろとものとき
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アドレスもLINEも消した残るのは頭の中の君の想い出
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昨日まではショートヘアに憧れて 今日は胸下ロングを目指す
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テーブルに冷たい言葉のマグがあり「時代のせい」と神様がいう
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ホルモンと気圧に左右されている 本当の私って一体誰なん?
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寝てる間に首にギロチン落ちてきて気付かぬうちに二つになりたい
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りんご飴 ひとくちくれよ そう言われ 頬りんご色 甘い初恋🍎
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ベランダの小鉢に煙を吹きかけて枯れる日がくることを祈るが
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届かないと知っているからいくらでも闇夜へ流す紙飛行機
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言いにくいことを言わせた僕の罪 誰か償い方を教えて
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伝えたい気持ち溢れて筆をとるが読む暇あるなら休んで、推し
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午前5時ロップイヤーが道端でクリームパンを食べていた夢
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無意識の呼吸やまばたきを見ていたい 存在と実感あなたの横で
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プラごみを捨てた途端に収集車 あぶねーあぶねー 間に合ったなぁ
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もういいかい まだだよ お日さままだ出ない 木枯らしに首をすくめて歩く
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爪を切る横顔はみな穏やか傷つけまいとする自愛の心
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塾帰り 廃墟の工場跡よりも 恐い何かが こんなにあるとは
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