世界一 幸福でいて欲しいけど おんなじくらい…………、なんでもない
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忙がしい、と打ち込むまでの躊躇いに釣り合う過去の恋は痩せてる
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忘れ物、と渡す名前にある冬を歩いた夜に換えた履き物
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つぐないは時隔てなお重くなり秘めた哀恋口には出せず
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罪人は自覚無いまますぴすぴと熟睡してる 古文の授業
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手羽先を綺麗に食べる君の指丁寧に丁寧にしゃぶった
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ラインでは友だち一桁のぼくと三桁のきみとに雪は降る
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YouTubeようつべの転載されたコメ付きの動画ばかりをみて育ったさ
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窓ぎわの語りやわらかカランコエ花がなきまま春をまっている
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明け方に目覚めそのまま眠れずに咳も止まらぬけれど平熱
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キミのその硬いHのえんぴつじゃ消せないから筆圧をかえて
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寝不足です 寝不足なのに 眠れません 頼みは眠剤 マイスリーは友
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転職を したくないけど したいのです いつもここに 君がいるから
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好きなだけ 君のことが 好きなだけ それだけなのに 辛いのは何故?
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明日あすがくる 寝るのが怖い フィクションの誰かになりたいただ笑いたい
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いつまでも いつまでもずっと向かい合う 終わりなき地獄 個人開発
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嫌な夢嘘を全部曝け出し血が流れてカラーになった
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氷点下淀んだ池に白い雪ぽっぽぽっぽと重なってゆく
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咲きかけの芽のやわみは愛おしくいつからか優雅に香りゆく
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真っ暗な夜空にひとつ星を持つ者の後ろに道が有るでしょう
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管轄外とされてた事を任務だと詰め寄られおり欠員出れば
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わからない わからない闇が続いてる あるき続けてその先へゆく
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沫雪あわゆきは 僕の心の ようであり 君の心に 積もるだろうか?
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午前9時 踏まれて溶けた雪色のニットを纏う私の身体
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似たような服着て笑う女達保護色の街に紛れて歩く
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忘れられぬ結ばれぬ仲愛してた彼の美点も彼の汚点も
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月重ね古びた恋の文に打つ、涙解して君を浮かべた
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傘のない名前並んだ黒板を写す二人で染めた夕暮れ
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バス降りて向かいから来るバスに乗り今すぐ家に帰りたい朝
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あのことはセロハンテープにつく指紋めいた後味の悪さだった
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