まんじゅうがこわいまんじゅう作る人がこわい業者がこわいこわい
0
心地よい眠気があれば騙されて幸せだったような気がする
4
傘下の雨粒丸し植え込みや車の白し雪の朝なり
1
紙の上書き記したいQED 彷徨う僕ら冬の果て
0
薄汚れた部屋と煙草とサボり癖 大学時代の愛しい記憶
9
"永遠とわなんて一秒で決まる"と聞いていた。 解った刹那オンナを知った。
6
飲みかけのJAMESONが僕を待っていてやけに色のない夢を見させる
5
君にしか 治せぬ病なのだから 毒も薬も関係ないさ
1
宇宙的速度で君のもとへ向かうからこのバスは光速バスなんちゃって
1
夕飯は鍋にしようと決めた日の 出先で気付くカチコチの肉
3
〝どうせ君も わたしを置いていくんだろ?〞じゃがいもばかりが残ったカレー
2
iphoneを 灯りに斜めに かざしたら 3カケ3の 指紋のあと
1
数えても 両手片足で 足りました 須摩保スマートフォンの 連絡先は
2
弁当のフタも閉めずにながながと理詰め論づめ同僚の愚痴
4
長い間 鏡を良く見て いなかった 醜い人が そこに居ました
1
虚構の生を掴めず疑問符 言葉が全部宇宙の零度
1
戻れない 境界線は ここにある 跨ごうとして 跨げない僕
1
鶏肉と半端野菜を鍋にくべ待つ「この恋が実りますよう煮」
7
陽の名残なごり集めて重き鈴なりの蜜柑は照らす冬の庭先
10
よる九時のきさらぎ駅のベンチから見上げた空はいつもと同じ
0
明日から指名手配で逃げたいなレポート書くよりよっぽどマシだろ
0
愚かさは アンドロメダの 下のほう 鈍く光って 三等星
1
冷え切った息をまた吸う僕らにはあるべきものもありはしないのに
3
すみません見えぬ相手に頭下げ赤べこのような父の背中
2
赤い血が流れる事も無いはずと古傷歪み儚くしたる
2
グルグルとかすりもせずに見もせずにやるせない夜のわたしの言葉
0
寒いからここいいってためぐちできみの隣りをゲットする冬
2
こんなにも降り積もる雪の中ならいちばんの嘘をつけるだろう
2
母親からたまの荷物で送られる 蜜柑と林檎に 冬を感じる
7
どうせなら憎むくらいに好きになりたかった そっと唇を噛む
7