ベランダに米粒置けば食べに来る雀のお宿はお寺の竹薮
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素敵だわこのラブホテルここだったら主人と来ても楽しめそうよ
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見慣れない男の靴が玄関にあるのに客はいないと言う妻
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おばあちゃんまたすぐ来てねこの次は絵本じゃなくてゲーム買ってね
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良質な映画のあとは胸躍り描けない絵画さえ浮かびくる
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お互いに 知らない時が 流れてる  そばにいられた これは奇跡ね
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黒髪と つぶらな瞳 イタズラに  止めてと笑う 午後の教室
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秋晴れてどこまでいっても水縹みはなだの空に散りばめたい鱗雲
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手を握り このままずっと 友達で  同じ制服 想いは同じ
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引っ越すの はるか遠くの 知らない町へ  彼女の唐突 思い出したわ
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さめざめと泣く紫陽花の美しさ愛の条件は涙と言える
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自己管理せよと他人が言うことの端的に矛盾ではあるのだが
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いつか消え逝く灰は空気に混じる夕闇に ラッキーストライク
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我が肩を枕に眠る知らぬひと薄手のシャツに刺さる短髪
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二十二時十八分発千葉行に巣食う座席を狙いしハンター
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何人も逃れられない本がある 「資本論」とはそういう本だ
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不採用だった会社の案内は鍋敷きになる刑に処される
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経済を再生させる大臣が 追い詰められてもはやぎわ
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じゃりじゃりとココアのダマを押しつぶす カップの傷はとけきれぬ愛
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まだ旅の途中なのだと言っていた 涙拭って星を見上げる
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コンビニの陳列棚はカボチャ色 土産に買うか隠れて食うか 
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様子見でそろりそろりと150 日本丸はゆっくり沈み
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手のかかる子供のようだ この会社お膳立てしておだて盛り上げ
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共有物とかく忘れてしまいがち 私の便利誰かの不便
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夜が明ける 追われるようにオリオンは乾いた空を足早に駆け
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手拭いを四分割しハチマキに しばる練習晴れるといいね
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100m走る前と同じくらい前傾姿勢で急ぐ自転車
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オアシスは孤独なのかもしれないね 乾いた海が砂漠だとして
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サバンナで二足歩行を開始した猿が目指した未来がこれか
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お隣はインドの人でナマステとあいさつしながら生ゴミ捨てる
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