通り道 凍った坂で、膝笑う  私も笑う、間違えた靴
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乱高下 22歳のかける恋 酸いも甘いも重なってパフェ
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尾灯追う深夜の府道 気は沈む 前の車も仕事帰りか
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よく染みる三十九度の浴槽に森の香りと全身浸かる
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アルバムに仕舞ったきみの横顔はこっちを見ない だから好きです
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色のない世界にだって此処よりは感情というものが在るだろう
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ぼやけてく世界を見たくない僕は眼鏡を捨ててぱりんと踏んだ
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冷えきったつま先みたい、君の唇から零れ落ちてく言葉
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靴を脱ぐ叫ぶ走り出す 人々とアスファルトの優しい冷たさ
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君よりも少し冷たい砂浜を歩く貝型の星突き刺さる
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化粧してオシャレな服着てヒール履き 裸足の前足伸びた紅い爪
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教室の外は今日も雪 ストーブに暖めた 母が持たせてくれた手袋を 両手にはめて校庭へ急ごうよ
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視線の先には 君が囲まれる まだ僕には気づかずに
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初冬を気付きもせずに何故か皆小春日の昼ゆっくり進む
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きゅっと音鳴りずれていく切り口の悲鳴に耳を傾けたげて
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最期まで切り離さないクックドゥCook Doつまずいたならお辞めなさいと
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「この人は 僕とおなじだ」 何度でも 雨の降る度 錯覚をする
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おぞましき色の重力の中、ある一瞬、あの顔だけがはっきり見えます
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おぞましき色の重力のなか空を見ようてんだから狂ってしまいます
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正しげな顔の大人をやめたくて どんぐりひとつポケットに入れる
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知らぬ間に催眠術をかけた君 檸檬さえ甘く感じるような
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明日の朝ジャンボフェリーに乗る君の寝息も全部覚えていたい
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裏表紙バタンと閉じるような波 未練がましい私を叱れ
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罪に罪を重ねるようにケロイドを消したくなって掻き毟る夜
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はんぶんの暴挙にきみの輝きが広がってゆくマニュアルの中で。
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完璧以外の言い訳に ちょっとヒビ入れ舌を出す ずるいずるいずるい
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最後まで踊っていたいただひとり 靴が脱げてもでたらめに踏み
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しそこんぶ ごまつきしおむすび もち麦に 春の七草 まごころパック
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「壊れろ」 と 僕という脆い容れ物に 流し込まれる 異物の言葉
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薄っぺらいチョコも気軽に贈れない 「大好きです」 を ✕で消してく
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