ガラス戸に当たる小石を合図とすすべてを捨てて逃げだす手筈
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心をばなににたとへむ休講を知らずに待てるへやのあかるさ
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ファルファッレ、タリアテッレにフジッリとこころ娯しき日々のあけくれ
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歳とると 速く感じる 時間のながれ 生きたい気持ちと反比例する
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六文字の 虫の名前と 秋の夕 これさえ使えば もう短歌生まれる
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不条理なことばかりの人生だ それでも受け入れ前見て歩く
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何気なく初恋の味オーダーし素知らぬ顔で思い出齧る
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3日間夢のような旅だった 現実行きの列車に乗り込む
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気づいたら 心がすっと落ち着いた 新たな道を歩いてゆくよ
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箱入りの痛みを光に透かしてる案外綺麗このままでいい
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「失恋」に フラレたんだと気がついた。 俺を好きだと思ってた俺バカ(笑)
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トマト缶 野菜に豆と サバ缶と ルー二欠片 簡単カレー
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思いつく ときには手元に メモはなし 呟き続けど 違う作品
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楽しみに初の飲酒と待っていたはずなのですが母が寝落ちた
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一時間前まで初の飲酒だと楽しみにしたまま寝落ちした
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スーパーの袋を持って歩いてる君は持たないエコバッグとか
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痛くないのが魚の目で痛いのがタコでしたっけ? うん しらんけど
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宝くじ億当たったらどうしよう買ってもないのに心配はする
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庭仕事子ムカデ逃がすもし部屋で見つけたならば殺すと言って
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気のはやいハエではなくて虻らしい刺すけどこいつ今は放っとく
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日常という戦場を生きるため我が信念よ火の槍となれ
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運命は白馬に乗ってるわけじゃない 落ちて始まる恋がある
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冷蔵庫の 中は世間の 縮図です 期限切れと 不用品の山
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明け方に 水を静かに飲む君の 喉のうなりは 耳に優しい
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やさしさの手持ちが足りないので今日は  仕入先行って直帰します
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野の花を 手折るは心 無き人か 或いは花への 偏愛ゆえか
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再会は思ってたより早かった 右足薬指の魚の目
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ノーアウト満塁からのサヨウナラ さらわれてゆく足音までも / ハム
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まちわびていたはずだけど何がしたいんだったっけ、金曜夜に
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別れ際、泣けない君が笑ってる。ほっぺにできたシワが言ってる
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