Utakata
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眞木たまき
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文語口語・仮名遣いはその時々で試しています
他所で詠んだものも置いていきます
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また遊ぼう、かつて
窓
(
W
i
n
d
o
w
)
の向こうに青く晴れわたっていた丘で
7
純白に映ゆる誓ひよ中庭に凛と立ちたる百合花ふたつ
5
そのバスに乗ってはいけない 理由もなく潮の香りがざらつくようで
5
思い出すことはけだるいあの夏の空を剥がした裏側の null
6
トイレットペーパーを提げ帰る日は假寝の先にせめて夢見を
3
弛びなく調べられたる
脳
(
なづき
)
らの正弦波なる斉唱の跡
5
話題書の角ゴシックの太さだけ僕らの
自我
(
エゴ
)
が張り裂けてゆく
5
相性の欄に載らない恋をして貴女のためにひろげた雑誌
3
回線は100
kbps
(
キロ
)
余
(
あまり
)
尋ねては月面からの応答を待つ
6
たそがれに密をたずねて喋ふたり融けるとろける時のあとさき
3
掠めあふ 二重螺旋の階段へ手をとり昇ることも叶はで
3
あめ玉と甘い唾は飲み込んでふと近づいたくちびるを受ける
4
そう君は何も考えなくていい、此処に樹の絵を描いてくれれば
5
言語野がどちらに在るか知らないがきっと左だ 血の巡りくる
5
猫カフェが人カフェとなる傍らでかまわず眠るきみの丸い背
8
係長課長、部長と朱を受けてゆうべ鳩舎へ還った稟議
3
戸締りを終へた廊下の非常灯鬼火のごとく浮かびいざなふ
6
呼びかける 届かなくても何度でも分布の裾でたたかう君へ
6
発条をまた巻き締むる指もなく儘横たはる霧雨の午后
5
まっさらな
0
(
ゼロ
)
へインクを走らせて君は宇宙の紡ぎ手となる
6
ちり〲に離るる銀河うすあかく彼と我とのへだたりと見ゆ
7
朱き陽のなほ夕焼けであるやうにたゞ戦災のしづまるを乞ふ
4
甲
(
きのゑ
)
子
(
ね
)
に天高く衝く声のして今夏も蔦の帳ひらけり
3
桐箱にモルフォの碧はさざめいて欠片となった海の光耀
5
店仕舞い 窓を見やれば百均のシールを貼ったような夕雲
4
知った道でもカーナビを点けてゆく「運転お疲れさま」と聞くため
13
うら若き初学生らのそれぞれに思ひ描ける天然果実
4
刻限は迫り 急々如律令 ただ書きつけた付箋を呪符に
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駅の傍 冷えた灯りに足を止め見たこともないジュースを探す
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厳密を期して蓋然性を追い 期さないことで賭けにも出たり
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