紫の 泡の溺れて 眠りつく 喉のいがみに つらく嬉しく
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ばれてたの 傘ぶん投げて追いかけることもできない小心者と
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美しくなければ今ここで 死ぬか殺すか選びなさいね
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ずっと前、指を切ったの 粉々に砕けた自信とアイデンティティで
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はじめてを君にあげると言ったけど それが嘘だとキスで気づいて
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夢でした はじけるサイダーさくらんぼ クリームソーダとお前の死体
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「好きです」と「大好きだよ」の舐め合いで 明日につながる命があるなら
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夜なんて知らない頃に夢見てたお酒の味に似てる満月
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身代わりのトレーラーとバイク横目に電話する妻の声だけお守りにして
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豪速の塊もろに当たりし日バイクと共に離れた地上
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ジーユーに行きそのあとにユニクロの前を通り過ぎて帰った
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「カシオレを飲んだのまでは覚えてる」 床にころがる浦島太郎
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画用紙に醜い夢魔の顔を描くそのぶん僕が可愛くなれる
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内臓を引き摺り出して爪剥いで お前の死に顔夢見て眠る
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白骨化したインコの死骸を踏みました インコなんて飼ってないのに
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誠実にただ誠実に君だけを 愛して殺して土に埋める
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手が触れて鼓動が早くなることが始まりなんて君で知ったよ
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ばか女わかんねーのかばかだなあこれが私のストレス発散
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理由無く友人殺す想像する 呼びかける声が少し震える
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じばじばと染まる玉ねぎ飴色に 夜来風雨の声に似ている
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男根は何かのシンボルではなくただ下腹部に生えているだけ
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精液の匂いどんなに濯いでも道行く人に知られてしまう
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原形を留めないほど破砕され地表へと降る夢の残骸
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恋人が後ろの席でくしゃみする 悪口だけ言わないでおく
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壮大な旅から戻りましたよと茶色のマズル誇らしげである
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雨の無い六月でした織姫は少し多めに肌水をとる
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なんだっていつも半分引き受けて「サラダの皿だ」とわらかす人よ
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死んじゃった金魚のお墓の植木鉢 君の小指をそこに植えてみる
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自分以外、幸も不幸も他人事 勝手に生きて勝手に死んでね
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ただ文字を31字当てはめただけの短歌は詠みたくないな
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