Utakata
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言わずとも 今日も誰かの 記念日だ ハッピーフライデー 幸の金曜
1
灯台の
天辺
(
てへん
)
に動かぬ鴎ゐて意味あるふりをしてゐるのやも
5
耳にする吠えごゑ木木のさへづりをいかに翻訳するや此の猫
5
木洩れ日の揺るる窓辺にことのはを拾ひ零して忘れてしまふ
4
言葉研ぎ大気に溶けて冴え冴えと 刺すも刺さぬも気付かぬほどに
6
家族とて真意わからぬトンチンカン良かれと思って大きなお世話
2
雨だから天の川が渡れない? そんなことよりサラダを食べろ
1
切実で深くて重い言葉とは? 切れば血が出るような言葉は?
4
ぐるぐると どうどうめぐる感じのみ 頭の中をかけめぐるのだ…
2
ぺらぺらと軽くて薄い言葉しか 口の先から出てこないんだ…
4
ドアの開くチリンチリンに振り向いて私にはいま待ち人がいる
1
内面にないもの纏うなにもない私はなんにだってなれるよ
6
天の川漂い流るゝ月姿 大海原の小舟のごとし
1
はじかみの紅さす端をさりさりと 酸いも忘れて彼はまだ来ず
1
観光地の藪の中で見た死体 誰にも言わず帰る楽しみ
2
置き去りにされたビニール袋 あの日地下鉄には乗らなかったけれど
2
服なんてどんなのあるかいちいちさ把握なんてしてないからさ
0
人生をコックリさんに導かれ母を捨て夜の街を歩く
1
人間を模した猿の人形と廊下の隅の闇が怖くて
2
お空から 落つる雨粒 激しくて 海へと変わる ノアの箱舟
2
本当にトマトの内臓なのこれは 血液したたる鍋かきまぜる
2
現し世
(
うつしよ
)
に飽きてしまった神さまはきょうもメルカリ発送してる
3
サラダとか食ってる場合か!明日こそはあの子に会える!一年ぶりに―彦星―
2
唐揚げとサラダを篭に詰め込んで銀河を渡るあの人の元へー織姫ー
2
残された静かな部屋の留守に笑う人間を模した猿の人形
1
他人とか悪人とかの訃報噛み締めるのね波が去ってくまでは
0
おらがんちで魔女狩りあった朝に来たい 米粒見たいばっちゃの
頬
(
ほお
)
っぺた
0
バイバイして 振り向いたとき 振り向かれてないと傷つくので 振り向かない主義
1
金なんて使ってなんぼそのように一生懸命言い聞かせてる
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蛇口の下にたっぷり苔が生えていて肺胞みたいな花を咲かせる
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