十二月二十三日に生まれたり サンタの乗ったバースデーケーキ
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年の瀬にあれこれ言ひし干支なれど思ひ出せねど正月は来ぬ
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いつまでも荒れたまんまの唇に塗ったリップの色はオレンジ
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年の瀬に干支の話をしていたのに今年の干支をもう思い出せず
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スカートを一回折って考える 姿見を見てやっぱりやめる
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まかないの湯気の立ちたる肉うどん 喉の熱さを閉じ込めている
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戦争は人の狂気の地獄絵図 殺人罪とはいったい何か
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半分に割ったピザまん三対二 三をあげるね二の方がすき
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ひとりゆく深夜二時半のコンビニ金木犀の香る近道
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自信薬あれば誰もが主人公 優の劣のと思わなくなり
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「ごめんね」と言えば「いいよ」と決まってた。いつの頃から「いいよ」で済まぬ
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二日酔いと浮腫み無念極まれりガリガリ君しか食べられぬ刑
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青年にドア開けられてしずしずと五十五の我乙女となりぬ
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琴線を 暴力的に 引っ掻いた 君が犯人 僕が被害者
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春セーター色鉛筆は十二色画用紙持ってお出かけしたし
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燃やしたら 骨と灰しか残らぬが 仕草も会話も私でしかない
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暖かき イランより来て チョウザメの 居る海に降る 雨を寒がる /2016年10月25日カスピ海時雨
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水槽の かわいい金魚 見ていたら それは餌だよ アロワナ見てよ
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真夜中に柿ピーむさぼり舌を噛み、出来た悲しい口内炎です。
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芥川と太宰の本は売ったけど、『すごいよ!マサルさん』は売れない。
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馬鹿がいい馬鹿を目指して馬鹿を積む馬鹿は前向き馬鹿は希望さ
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また一つサプリが増えたキッチンで、立ったまま飲む第三のビール。
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ラーメンが出来上がるまでの三分で気づいた真理を食べたら忘れた。
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北風と雑巾絞ってかじかんだ指先で送る励ましLINE
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土筆らと 春の行進 並ぶ我
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目覚むれば 頬撫でゆけり 春風や
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突っ伏して 筆の進まぬ 目借時めかりどき
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春ゆくをまわり道せむ 手を繋ぎ月の蒼きに追ひかけられたし
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ホームラン どんな場面も 文句無し 勢いづいて 全部持ってく
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啓蟄の 天道虫や はねひらく
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