湯どうふが美味しい。それはそれとして、夢に浸れば奥飛騨の湯
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星空がそっくりそのまま落ちてきて頬を切り裂く夢を見ました
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心にも使い捨てカイロ貼ったなら「あったけぇ」って微笑むかしら
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夕散歩う人はそれぞれで秋と同じに憂いは増して
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ALONE AGAIN 壊れ て しまえ秤など 時ぐすりさえ忘れるほどに
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二年ふたとせも換気しつづけた図書館にぬるく重たい空気はいない
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山霧の日ごとに出でて 染め上ぐる、楓の衣 今そふりつる
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この桜 誰が主の卒塔婆か。洞の茸に訊いても 言わぬ
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車窓から焼ける朝霧見ていたらトンネル入りて漏れが映れり
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僕らはいま最高速度を更新し深夜一時に読むドロヘドロ
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健やかの擬人化みたいな人だね なりふり構わず長生きしてよ
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悲しいかな 陰陽二つに わけられて もらった性格 変えられない
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ひとつひとつ毟れば菊の蕾らの死魚の眼に似て空を仰げり
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三日のち しょくになること知らずして東の空に月輝けり
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ばかみたい キャンディを砕くおまじない あなたと星を数えた夜も
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好きなのはいつまでたってもバイキング これが理想の大人っす
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首すじの熱い血潮に流されてここは沖合いあなたと二人
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若い娘が入ってきた喫煙所はギラリと光る男たちの目
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諦めたら試合終了 な訳あるか別に終わりなわけじゃないよ
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右手上げ星に向かってジャンプする十六歳の俺は無敵だ
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フリをした誠実やさしい嘘にしてそっと畳んだ口づけ交わす
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赤色のスマホカバーを 見ていると アイツが出るのは 友達だから
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あどけない顔が好きなんてふざけんな 私はもっともっとエロいよ
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金髪のポンパドウルのおでこには俺以外とは違う才覚
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君がため推し変えたれば祭壇は君の写真と思いけるかな
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冷えかけたカイロまだまだ握りしめ行けるとこまで行くって決めた
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息継ぎのたびに増やしたアカウント ここの酸素ももうなくなった
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朝がすぐやってくるから詩を織るの わたしの夜を忘れないでね
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僕だって 許されるならもう一度 彼の救いの鳩になりたい
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生活と無限は相容れがたくして空を遮るためにある屋根
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