是非もなく 情報過多の この時代 ついていけずに 老いは深まり
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ずたずたに 切り裂かれたる 残骸を 拾い集めて 裁きに臨む
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急降下と云う技があり鳶にお握り持って行かれた
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憂鬱な 僕の心を 置き去りに はなはもうすぐ 咲くのだろうな
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決めたのに結局今日も言えぬまま 朝の自分の消えてく勇気
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剥がれない紙のラベルをちぎりつつやっつけました糊は残った
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犬猿の猫がこの頃なかよしだ同士だが春なんだろか
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眠たくて寝る準備さえ出来もせずなので寝不足寝せてくれよな
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死なないから死ぬ気でやれと言うけどそんな苦しみ死んだも同義
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俺はもうダメかもしれん疲れてて心臓あたりがときどき痛む
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日々にある光が時たま降り注ぐお湯張り設定の仕方おぼえる
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目が覚めてああまたこれかとなっている巻き戻される君を思い出す
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少しずつ嫌な人間になるような気がして地滑り前の山肌
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俺はもう一人で生きるしかないということなのか闇夜のイルカ
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疲れたね闇に呟く返事なく当たり前だろあったら怖い
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本屋には自分の欲しい本がない君の部屋にもやはり無いけど
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いにしえの少女漫画を読んでいるこの世界には携帯が無い
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はっきりと嫌がらせだと理解してしまう自分の半端な知能
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強風が吹いたらフワッと飛ばされるような気がする手を握ってくれ
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味わってゆっくり君は食べるから ソフトクリームを食べるのが下手
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今すぐにリセットボタン押してくれ!不幸の軌道修正をせよ
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ケンカ中「空気がキレイになりました」空気読めないAI家電
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思い出が人生を語る時には耳をふさいでただただ眠る
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かたち無き波の形を求めては浜辺で探す海硝子シーグラスかな
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寒天の川にあんこの森深く フルーツの星 クリームの雲
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いちど傷つけたなら いっそこの 痛みが麻痺するまで 傷つけてよ
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我が詠む拙き歌でも『いいね』もらう 励みになりてありがたきかな
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今夜は少しだけ早く寝よう 明日早く起きて君に会いたいから
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『何食べたい?』『美味しいもの』って答えたら 君がふくれた 日曜のランチ
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悔しさと悲しいことが五回ほどうれしいことがたった一回
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