掬ふいのち 掬はれるいのち 掬はれぬいのち 彩りしき5番ホームに
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どの朝も水平線からやってきてここは首長竜のいる街
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あの人が死んだと聞いた昼下がり タバコの煙 何度でも来る8月
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ありったけの憎しみこめて沈めてねでないとわたし浮かばれるから
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毎日にけしてゆとりはないけれど花を愛で美しくありたい
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紫陽花あじさいとぴちゃんと跳ねる水のとぬるぬる動くかたつむりさんと
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ひとかどの 人物だったはずなのに 君よ無明の闇に落ちぶれぬ
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跳び跳ねて遊ぶ子供ら叱る母 見つつカンカン ゆうべの踏切
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生きている時間で午前二時が好きサービスエリアのコーヒーが好き
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梅雨空や 空気の底に よこたわる こんな昼間が あったっていい
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暑いですねあなたはいつも汗っかきね自販機の口からこんにちは
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かりの群れ空に連なり帰りゆく 山紅く映え紅の葉々
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あ、べたついた肌を見ていい人、今はシャワーを浴びる私だけ
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紅をさし電車に乗って旅に出る かあさんあたし恋をしたのよ
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最寄駅 すれ違うだけの名も知らぬ あなたの足音おぼえてしまった
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ちがうのよ あなたがきらいなわけじゃない 雨にうそぶき うすい膜はる
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お空から透明大地へおっこちたバラバラバラ今日は遠足
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来し方の頭の塵がびい玉に はじけ転がり三十一字
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童貞と董卓って似てるなと三国志好きは一度は思う
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銚子より乗りたる長距離バスの中 臙脂えんじの里ゆく夢うつつかな
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ベランダで酒を飲みながら見上げてる夜の帳の見えない星の
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もちもちパンぱくつき喉に詰まりそう 牛乳持つ手に目で感謝
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誕生日いいことあったビームスで二千円のボトムスあった
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もちもちパンぱくつく君が苦しそう ほら言ったでしょ はい牛乳
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デカルトもカントもショーペンハウエルも 読んでないけど息を繋いでく
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くよくよとうじうじしつつ省みる そんな貴方あなたに敬意を表す
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童貞は関係ないの内気なの 性の経験なぜ持ち出すの?
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「童貞がうじうじしてる」? 言わないで 人と人とで出会ってくから
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「メンズリブ短歌」に興味を持ったなら『非モテの品格』ぜひ読んでみて
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短歌でもパクりまくりの「杉田節」依存症者の自覚はあるの
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