陽炎を越えると秘密の入口が……あるはずもなく道は続いた
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白か黒か選べぬのなら 桃色の道を歩こう 君と一緒に
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ちいさな手 君が遺した朝顔は 夜を知らない星になるから
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休日だぁ ドライブに行く 気力さえ 残ってなかった コロナ禍の盆
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ときめきはまやかしですか平熱の恋でも信じてみていいですか
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五十円玉が欲しいと 三十円手渡されるよな 理不尽な恋
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三日坊主も万年ならば何かしら 何かにならぬかしら四十五しじゅうご
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透明なハートが赤く色づきて 今日を一日 愉快に過ごそう
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昨夜の情事こと 断ち切るように爪を切る パチンパチンと深爪をする
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ずるい骨 珊瑚のように軽く白く 最期まであなたは美しかった
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周りから祝福されるだけの彼ひと  私だけの、を探してるのに
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その次の一手をいつも巡らせる オセロみたいな恋は終わりね
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進もうか きびすの先は 前後まえうしろ 歳の数だけ たおやかであれ
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プランター後片付けはいつも俺 胡瓜の棘が小指に刺さる
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天気雨 拓郎の歌流れる日 言葉の雨も降り注ぐ晴れ
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八月の風に吹かれてボブ・ディラン 八月の満月スタージョンムーン雲に隠れて
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扇風機懐中電灯組み合わせ 明かりを消すと灯台と化す
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カーテンにアンパンマンの絵を貼って 風になびいて飛んでるように
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「愚行権」とはいうけれど完全な愚行は案外珍しい件
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焦がるれば積乱雲はただならぬ熱量をもて天に昇りぬ
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津波から逃げてる人の動画見て「逃げて」と願う十一年後も
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カーソルが早く早くと急かすけど三十一文字みそひともじに出来ぬ葛藤
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人様に 役立つことが をりふしに 分からなくなる 療養期の床
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涼風の 致りて天はや 秋なれば 空の名残ぞ うるはしくあり
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マゼンタの花びらが風を撫でていて あのひとは今も元気だろうか
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後飾り 母に供える白花は我が家の庭に咲いた白ゆり
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もういちど 歌わせてくれ、あの夏の貴方を嘘にしないためにも
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レオパード柄の羽織をなびかせて 少しは速くなったきがする
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結局は ストレスだらけ 人生で 美味しい砂糖 頬張る始末
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お金とは 縁がないのか お互いに 敬遠すれば 貧乏所帯
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