あしたにはきっとなくしてしまうでしょう ひかり、におい、ふるえるほどの、
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暗やみの原初の胎に還るころ ねむれる仔らよ さびしからずや
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肌露わ 甚だ婀娜さ 絢数多 ただただ新た 夏の只中
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朝の日のほがらほがらと包みこむ野原に黄色のたんぽぽほがら
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黒き目の猫と寝転びのほほんと互いの瞳の星を見つむる
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何となく視線をうけてふりむけば軒端のかげに追憶の猫
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すみません大宮まではこのあとの貨物列車が先に着きます
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前髪に光さすきみはほぼ天使、夏がカーブで加速をかける
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きみの死をクリアファイルに入れたなら棚のすきまに入るだろうか
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とびちったりんごのかけら集めつつアダムとエヴァの国へUndo
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(お前さぁ、俺の鳴き真似下手だよな)迷惑そうに過ぎてゆく猫
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吸い込んだ夜明けの匂いもう二度と思い出せないまま生きてゆく
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「幸福の薬」の瓶のラベルには「開栓後すぐ気化します」の字
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無条件幸福します5時限目この窓ぎわは僕にアウェイで
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刻々と流るる雲を映すビルお昼休みは空となるらむ
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泡沫は淀みに浮かび 姿変え現世うつしよの中 笑みを降ろしつ
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豪快にはみ出しているベーコンをかじって並のはみだしとする
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黒猫にまぶたをかかれ目を覚ます ふたりで座りサッカーを観る
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静かなる夜のほとりに空仰ぐ 紫雲しうんの上に救いあれよと
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「ぐりこ」から「ぱいなつぷる」で並んだが「ちよこれいと」でベルギーの勝ち
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春は桜と東京キー局騒ぎ終へなほも吹雪けりリラ待つ街は
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目覚めれば忘れる夢のように人生もふいに忘れて死ぬのだろうか
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銀のさかな泳ぐビルの間見上ぐれば誰も水死の湖底人なり
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あの衛星に凸凹があるとは言いますが充分誤差の範囲内です
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枝垂桜あふるる滝の薄紅に沁み出す君の影と泪と
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夜になる 眠気虫が ぶんぶんと 夢の匂いに 僕も誘われ
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酔っ払い倒れかけてるこの部屋に流れる曲はガレージパンク
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月曜の朝からもう週末のことしか考えてないけどまあいいか
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「はくちょう」と「おおわし」ならばお似合いよ 「こと座」なんかお呼びじゃないのよ
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ベガおりひめアルタイルひこぼし行きのチケットを握りつぶした私はデネブ
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