また今日も変われないからここにいる、逃れたいなら行けばいいのに
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ただ一人でドビュッシーを聴きながら月のない夜をやり過ごすだけ
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何で早くやらなかったのかと自責をする229日の俺より
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諍いはいつも言葉ではじまったあやまる言葉いつも遅刻
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大鍋に喜怒哀楽を入れてみた。ぐつぐつ煮たら愛が生まれた。
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あと少し あしたのあさは三月だ 春は名のみとふるえていても
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この場所は春のつもりにしましょうよことにこんなに冷たい日には
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アメンボの波紋 重ねるようにして 新たにつなぐ あなたの味方
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詠み人の吸って吐き出す空気さえ誰かを思う歌に聞こえた
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逢へぬもの乞ふは弱光 寝床にてそれその名前 名付けし枕
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平成が終わると騒ぎたてるきみよ二年後の春また会いましょう
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胸を張り一人がいいと言えるまで、私のことは死んだことにして
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君と私の何が違ってこうなった、一人で咳をする虚しさよ
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日曜の暮れる寂しさ抱いても、それでも君には抱かれたくない
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かの人の声を聞くたび思い知る、君には私じゃない君がいる
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酒浸り我を忘れて泣きわめく、あの一月はまるで一年
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叶えたい夢が私に舞い降りたそれだけのことそれだけのこと
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滞りなく家事こなす強い人 僕は弱さを忘れたくない
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君のこと泣き叫びつつ追いかけてハッと気づいた そう、これは夢
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もしきみが海でしんだとしてもたぶんわたしは海を愛するだろう
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まっすぐに落ちてくだけのきみの描くその直線に惹かれる、痛い
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雨の予報覆し青空招く荼毘の煙は晴れ男最期の躍如と微笑もう
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久々にBのえんぴつ出してきて 裏白紙におえかきしようか
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金ぴかの時計ほしがるけいちゃんの睫毛の先のくるん見ていた
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私はそう、いつだって君に寄りかかり、生きずにずっと死んでいたんだ
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舌の根に残るカレーの苦い味、まるでいつかの胃液のような
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吐きそうなほど意味のない時間さえ私にはきっとかけがえのない
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人と同じ言葉を話すことに快感など覚えてはいけない 頭冷やせよ
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陽がかげり 怒り 向かいのマンションの三階以上が消えて無くなれ
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コマーシャル終わると死んでいた推しを見つめ動かぬ母を見ている
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