気がかりを押さえつけても夢に出る君は笑って生きていますか
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音もなく泡立つシャンパンいっきして電車に飛び乗るような夕暮れ
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暮れていくようなあなたが愛おしい、緑の瞳と交差する夜
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暖かいあなたと過ごす朝でさえかじかむように指は震えて
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緑色の縞模様が泳ぐよう、見えぬものが見える瞬間
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何を見て買って食べても満たされずただただ開いた穴は大きい
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タピオカとパンケーキなぞ与えればきゃっきゃと喜ぶ女でありたい
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名も知らぬ雑草などが好きでして ふと気付いたらそこにいるので
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‪簡単な和音ひとつにゆきなやむ告別ソナタさらふあけくれ‬
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歳の差を気にするあなた、前髪を気にするわたし 野球部の声
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ままならぬ心で池に石をけり 水面に雲が溺れていたり
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動脈の叫び胸から流る「赤」ドクリドクリ今生きているか
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「埼玉に雪は降らない」おおかみが最期についたやわらかなうそ
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被害者にならないように加害者になろうと思う世界で良いか
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イヤなこと麦茶で流しこめたらなぁ おべんと食べつつそう思う昼
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いつか会えたらと思うが叶わない 繋ぎとめたい右腕の君へ
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美味しさを享受するとき浮かぶのがみんな私の大事な人たち
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ひさかたの月のひかりのふる野べにベルガマスクの即興の劇
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見馴れたる写真の青春片笑窪 やさし瞳の君に恋しき
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同窓会などもなされず先生きみは今どこにいるのかわからずじまい
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不幸でなければ歌は詠めない、辛いからこその美しさだろう
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私のことまだ少しでも好きならさ、忘れさせてよお願いだから
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春のらいなぞりてひかる 暗闇の硝子 つめたく濡れた眼差し
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泡沫の 想いを紡ぐは 彼の君に 届けてほしい アネモネの謌
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我が内に 咲いて散り行く 無想華 刻に抱かれし 想い果つとも
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死すことを 願いて眠る 朝ぼらけ 起きては愛でる 曼殊沙華
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あの人と逢えなかったりしたけれどホッとしている私もいたり
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夜も冴えて月影白き路地裏に靴音ひびかせ家路を急ぐ
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旭川 トンボ帰りの道すがら 駅ナカで飲む大雪山ビール
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あいにくの雨に溺れるきみを救うためタピオカの列に並んだ
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